初詣客で賑わう埼玉県東松山市の箭弓(やきゅう)稲荷神社。
創建は712年と伝えられている古社。最近では”やきゅう”の名前から野球関係者が詣でることも多くなった。
東武東上線東松山駅の改札を出ると西口から徒歩3分との案内。
その左はこんな書。地元松山女子高書道部の皆様の作品兼案内。
稲荷神社なので神様のお使いは狐。狛犬の代わりに狐様。
社殿は拝殿と本殿が一体となった権現造り。現在の社殿は1835年の造営と言われている。
見事な彫刻は上州出身の飯田仙之助の手になるもの、との言い伝え。
では細部を紹介しよう。本殿南側と北側の両方にある「二龍(にりゅう)」。本殿を守る龍たち。北側。
南側。
「仙人の鳥鷺(うろ)」。鳥はカラス、鷺は白いサギ。つまり黒石と白石で囲碁のこと。一人の木こりが仙人の囲碁対局を見て楽しむ姿。
本殿の土台の文様。「入子菱(いりこびし)文様」。菱形の中に菱形があるデザイン。
「王子喬(おうじきょう)と唐子」。中国の仙人が鶴に乗り唐子らに教えを乞う場面。下の模様は、中国の蜀(しょく)から伝わり西陣織りでも見られるもの。
本殿の縁の下、角には龍。
長寿の象徴で仙人の化身とも言われている「山椒魚」。地面に近い位置に設置され、波(水)には火の災いを受けないようにとの意味が込められているそう。
「獏(ばく)」。水の神様。亀と波で大きな獣を表現。人の悪魔を食うという。
屋根下には上から龍・象・獅子が並ぶ。
神社の説明書きをもとに彫刻を撮影。緻密さと波の動きなど豪快さもあわせ持った彫刻。
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被災者の皆様にお見舞い申し上げます。