元鑑識官の猪狩に頼まれ、孤独死した高齢女性のことを調べる話。
猪狩さんおひさしぶりだけど元気そうで何よりです。「俺が鑑識だからだよ」というの格好いい。いまでも鑑識官の矜持を忘れてないんだな。
特殊詐欺で捕まったひとが社会復帰で就職したのが、詐欺をやってる会社って…就職したときは知らなかったのかもしれないけど、詐欺をやらされた時点で青柳さんにでも相談してほしかった。せっかく気にかけてくれてたのに、詐欺をつづけてたなんて(しかも受け子よりタチが悪い)青柳さんの厚意も無下にしてるよね。どういう気持ちで青柳さんに会ってたんだろう。どういう気持ちで嘘をついてたんだろう。でも根っからの悪人というわけではなさそうなので、今度こそ更生してくれよ。
娘がいたかどうか調べるって、警察ならまず戸籍を調べればいいんじゃないのかな…と思ったけど戸籍はどうなってたんだろう。保護されてから新しく戸籍を作ったのはいいとして、旧戸籍のほう。無戸籍でなかったのなら、行方不明になってその後どうなってるんですかね。他にもモヤモヤすることだらけ。医者とは本当に不倫関係だったのか、医者の妻は娘を預かることを許してたのか、すぐに娘がいなくなったとか医者は無責任すぎる、娘がいなくなっても探そうとしなかったのか、警察に届けなかったのか、母親に連絡もしなかったのか…等々。
お互い気付いているのに何も言わないあたり似たもの親子ですかね。母親は勝手に娘を思いやった気になってるけど、ただの自己満足なんだよなぁ。あんなふうに傷つけるようなやり方をするくらいなら、捨てたわけではなかったのだと事情を打ち明けて謝罪すればよかった。それで許せないと言われたら離れればいい。だいたい突き放しておきながらエンディングノートに書くって…これを死後に読まされる娘の気持ちを考えてみろ。娘を思いやって身を引く自分に酔ってるだけでは。