瑞原唯子のひとりごと

ツルネ -つながりの一射- 第九話「裏反る意志」


二階堂が愁と湊を目の敵にしている理由はだいたい思ったとおりだった。まあ気持ちはわかる。おじさんの斜面打ち起こしで勝つことで復讐を果たすというのも、正々堂々と弓の勝負であれば問題はない。ただそこに囚われている二階堂自身が苦しいんじゃないかと思うし、もったいないとも思う。

しかし湊はほんと相手の気持ちを察することができない子だな。それが良いところでもあり悪いところでもあるわけだけど。今回も二階堂が含みのある返しをしたり不満そうだったりしたのに、微塵も気付いてなかった。一点の曇りもなく目をキラキラとさせながら無垢にグイグイと迫る…あるいみ尊敬してしまった。

湊は昔からいろんなひとに大事にされてて、守られてて、許されてて、何というか姫だなぁと思った。

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