桜の花がちらほらと咲く季節になりましたが、今年は雨の日が多く肌寒くて、ぽかぽか陽気の春が待ち遠しいです。年度末は何かと忙しくてあっという間に三月が過ぎてしまいました。テレビも殆ど見ませんでしたが、アカデミー賞の授賞式は衛星放送で録画して、憧れのサンドラ・ブロックさんが主演女優賞を受賞する瞬間はばっちり観ました。
サンドラさんは受賞が決まった時、スマイル全開になると思いきや、さにあらず、慎ましく、しっとりとした表情で喜びを嚙み締め、凛とした美しい横顔がクローズアップで映し出されました。
そして、サンドラさんが壇上に登る前に、先輩のメリル・ストリープさんを抱きしめに行こうとした時、メリルさんはまるで、関西人のおばちゃんのような気さくな仕草で、
「私のことは気ィ使わんでええから、はよ舞台に登ってスピーチの準備しぃ。
主役はサンドラ、あんたやで
」みたいなとてもお茶目な手振りをしました。
メリルさんの温かい人柄が滲み出ていて、また二人の優しい心の交流が感じられて、私はほのぼのとした嬉しい気持ちになりました。
勿論、サンドラさんは、他にノミネートされていた女優さんの魅力をそのスピーチでユーモアを交えて称えました。
本当に、サンドラさんの受賞のスピーチはウィットに富んでいて、淀みなく流れる水のように自然で流暢で、そして感動的でした。気取ったことや飾った言葉は何一つ口にせず、心に残るメッセージを私達に伝えたサンドラ・ブロックさんは眩しいほど美しかったです。
サンドラさんが主演女優賞に輝いた映画「しあわせの隠れ場所」は実話に基づいています。ハリウッドの女優さんでも、養子を我が子同様、大切に育てている人達がいますが、サンドラさんは、そうした立派な母親を褒め讃え、「我が子と変わらぬ愛情で養子やストリートチルドレンを育て上げた女性にもっと敬意を払い、子供達はそんな健気な母親に感謝の気持ちを抱いて欲しい」と熱く語りました。自分の子供であれ、養子であれ、恵まれない子供であれ、どんな子供達に対しても分け隔てなく惜しみない愛情を注ぐ女性を讃えたサンドラさんは本当に素晴らしい。
そしてサンドラさんは「母から、人は人種、性別、宗教、肌の色、すべてを超越して、愛すべき存在であること、どんな人間もすべて愛される価値があることを教わりました」と力強く、心を込めて語りました。
サンドラ・ブロックさんはコメディやアクション、シリアスなドラマ等、幅広い役柄を巧みに演じています。キアヌ・リーヴスさんと共演した「スピード」で初めてサンドラ・ブロックさんを知り、その後、「あなたが寝てる間に」で私はすっかりサンドラ・ブロックさんのファンになりました。
明るく愛嬌のある女性をサンドラさんが演じると、サンドラさん自身のように感じてしまうのですが、また、悩み苦しむ女性もサンドラさんが熱演すると、いとおしくてたまりません。
サンドラ・ブロックさんは、アメリカではThe Next Door Girl（隣のお姉さん）と形容されることがあるそうですが、確かに、サンドラさんはハリウッドのトップクラスの女優さんなのに、つんとすましたところがなく、親しみやすい人間味があり、朗らかで賢くて心の温かい女性のように感じられます。
但し、「お隣のお姉さんがサンドラさんのような」界隈はそんじょそこらにはないと思います。
ということで、近所でサンドラの自称そっくりさん
に係わることはあってもサンドラさんに生き写しの女性やましてやサンドラさん自身に巡り逢うことはまずはないでしょうから、
これからも銀幕の世界で生き生きと輝く唯一無二のサンドラ・ブロックさんに出逢えることを私は楽しみにしています。
