今日はレッスン、最近は現役の学生さんにも教えるようになりました。今まではライブで共演するのも年上、教える相手も年上の方が多く、すっかり最年少キャラ(見た目ではなくあくまで精神的な問題です。)で進んできてしまったので、こうして10歳も年下の人にレッスンするようになるとは・・・
彼は大学のフォルクローレ・サークルで活動していて、ちょうど新歓から定期公演の準備で大忙し。新入部員の世話をしたり、女子大に演奏に行ったり、うらやましい限りです。私も大学時代にクラシックギターアンサンブルのサークルに1年間だけ在籍したことがあるのですが、2年生になってすぐにやめてしまい、中学・高校の時も「後輩」に何か教えるなんて経験もまともにできなかったので、いわゆる「先輩」という状態を知らないまま30歳になってしまいました。単純に年下の人との付き合い方を知らなかっただけですね・・・最近はもうあまり気にならなくなったので、きっと慣れたのでしょう。
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・6月1日(火)、2日(水)
1日の昼間はジプシーギターの若柳吉三郎さんとの音合わせをしました。若柳さんが普段レッスンをしているスペースにおじゃまして練習します。ジプシーギターはジャンゴ・ラインハルトに代表される「ジャズ・マヌーシュ」スタイル、リードとバッキングのギターを基本に、多くの編成でバイオリンなどが入ります。ちなみにテレビなどでは「ジプシー」ではなく「ロマ」と言わないといけないそうなのですが、少なくとも音楽に関してはもうこの言葉が定着してますし、使い方の問題だと思います。
「ジャズ・マヌーシュ」は実際にほとんど演奏したことはなかったのですが、父がバイオリンのステファン・グラッペリ(ジャンゴの相方でもありました)が好きだったことで昔よく聴かせてもらっていて、私もとても好きな音楽です。軽快なリズムに乗せる切れのあるフレーズがたまりません。リハでこちらは主にバッキング、若柳さんから「智詠さんらしい形でどうぞ」と言っていただいたので、ソロのフレーズはスペイン風の解釈でやらせていただきます。
火曜と水曜は2夜連続で、四ッ谷マヌエルで月田さんのファドライブでした。1日の方はミュージシャンがたくさんいらしていて、まずセッティングしにフロアに出たらオカリナのホンヤミカコさんがいらしてびっくり!ちょうど次の日曜にご一緒するのですがホンヤさんも私もまったく知らず、本当に偶然でした。
私を月田さんに紹介してくださったのがギタリストの水嶋淳さん。もともと月田さんとお知り合いで、こちらの名前を出していただいたことがきっかけだったので、この場をお借りしてあらためて感謝!水嶋さんはアルゼンチンの「パジャドール」のスタイルの名手。ユパンキのカバーやオリジナルの弾き語り、日本の歌を多く取り入れておられて、全身から男気あふれる、ダンディーな方なんです。マエストロだからこそのやさしさ、これまでにも手彫りの木製カポタストをいただいたり、オリジナル曲の譜面を贈っていただいています。
さらに1日はスペシャルゲストで、先日ポルトガルから帰国されたばかりの高柳卓也さんが歌いました。ファド歌手は女性のイメージが強いですが、ポルトガルでは男性の歌手も多く、日本では本当に数少ない存在。キーの確認と短い合わせですぐ本番。さすがに緊張しましたが、本場では「よくある」光景だそうなので、ちょっとだけ体感できてうれしいです。高柳さんの歌力にこちらも自然に力が入り、飯泉さんに助けられて、すてきな夜を過ごさせていただきました。
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・6月3日(木)
昼間は近所の生徒さん宅でレッスン。もう一人同じサークルの学生さんに教えていて、彼もまた飲み込みが早く熱心なんです。フォルクローレはラテンのさまざまな音楽と同様リズムがとても重要なので、ギターはリード楽器としてだけではなく(もしくはその前に)、ベースやパーカッション的な役割が要求されます・・・ちょっと先生気分ですみません。
夜は西荻窪のサンジャックでのライブ。山下”TOPO”洋平さんと会田桃子さんとのトリオでした。サンジャック生まれのこのユニット、その名も「とぽけろっちぇ」です。3人のニックネームから来ていて、洋平さんはTOPO、桃子さんはモモケロ、私は一応そのままですが、ネーミングしてしまうとなんだかしっくりくるのが不思議。
と、いつも弾いているギターがここに来ていきなり不調に。前日のファドライブで演奏中急にノイズが入るようになったので確認したところ、弦を支えるブリッジ(駒)のところがV字型に削れてしまっていました。弦の摩擦なのか、これまでになかった状態なのでびっくりしましたが、本体でなかったのが幸い。ギターのお店に連絡して修理の予約をとります。
そんなわけでこの日のライブは別のギターを持っていくことに。ところがギターを取り替えたつもりが、何を勘違いしたか不調の方のギターを持って出てしまいました。途中で気づき引き返したので大遅刻(汗)、洋平さん、桃子さん、店長の平林さん、重ねてすみませんでした・・・
それでもおかげさまで5回目の共演とあってチームワークは最高、洋平さんと桃子さんのすごい求心力にこちらも熱くなります。いい意味で力の抜けた心地よいアンサンブル、毎回とても楽しいです!
洋平さんはライブの記録をしっかりとってくださるのでありがたい限り、この「機材」がどんどんアップグレードしていて大変なことになっています。最初にご一緒したころは「動画機能付き携帯プレイヤー+ミニマイク」、それが「小型の動画用カメラ+小型マイク」になり、そしてとうとうこの日は「ビデオカメラ(HD)+外付け大型マイク」になりました。近い将来きっと業務用機材が導入されるでしょう。
「とぽけろっちぇ」ダイジェスト
(なぜかトーク中心です)
http://www.youtube.com/watch?v=rhRrxGGbKyk
2010年6月3日 西荻窪サンジャック
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・6月4日(金)
午前中、ギターを診てもらいに要町の「プラサ・ギターラ」へ。以前メンテナンスした際に「プリメラ」の吉田社長から紹介いただいています。ちょうどお忙しい合間をぬって、ブリッジを研磨していただき、溝になっているところをフラットにしたらかなり緩和しました。弦高が0.4ミリ低くなったそうなので多少変わった感じがありますが演奏に支障はなく(後日あらためて高さを調整いただき復活しました)助かりました!
昼間はホンヤミカコさんのリハ。今年になってから2回、パーティーでの演奏に誘っていただいているのですが、コンサートでご一緒するのは久しぶり。日曜日の本番に向けて準備します。
横浜に行き、若柳吉三郎さんと待ち合わせ。会場は関内のLAZY BONES。実はレイジーボーンズには5年前、星衛さん、伊藤アツ志さんとの「ビブラビトリオ」で出演したことがあって本当に久しぶりでした。店長が変わり、リニューアルオープンのイベントだったのですが、その店長がなんと若柳さんの生徒さんだったそうで、いや~これも縁ですね。
開店を祝うたくさんの友人のミュージシャンが入れ替わり出演、こちらも20時ごろからの演奏でした。初演の緊張はあったものの、アットホームな雰囲気の中でお祝いできてうれしいです。最後は出演者みんなでジャンゴ・ラインハルトの代表曲「マイナー・スウィング」で盛り上がりました。おめでとうございます!
若柳吉三郎さん
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・6月5日(土)
銀座へ。新橋との間のガード近くにある「わいん ばー・ギンザ」でのライブでした。この短期間に月田さんや飯泉さんとは何度もご一緒させていただいています。最初は自分の演奏で手一杯だったのが、月田さんの歌や表情、飯泉さんのポルトガルギターの絶妙ななニュアンスが少しずつリアルタイムで感じられるようになってくる、このプロセスが個人的にはうれしいです。もちろんまだまだですが、その場の空気感をもっと楽しみたいと思っています。
「わいん ばー」はもう30年も営業している老舗で、店長もファドのファンだそうです。息子さんはたぶん私とも同年代と思うのですが、もう2代目のオーラをたたえています。普段はフランスワインを出しているそうなのですが、この日は特別にポルトガルワインを。専門店の提供で赤ワインや、ビーニョ・ベルデ(ごく微発砲の白ワイン)、そしてポートワインがふるまわれました。最近はすっかりポルトガルワインにはまりつつあります。
お客さんは銀座で遊び慣れた粋な方ばかり、終演後はワインをいただきながら、いろいろなお話を。このあたりはだいぶお店も入れ替わり雰囲気も変わってしまったそうなのですが、「銀座の夜」はずっと残っていってほしいです。
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・6月6日(日)
世田谷の奥沢へ。駅前にある区民センターで、ホンヤミカコさんのコンサートがありました。日曜の昼間、無料で予約制のコンサートだけあって、地元の方が数多くみえました。オカリナとギターのドゥオで、ホンヤさんのオリジナルに加え、アルゼンチンのフォルクローレのレパートリーなどを演奏します。ホンヤさんはどんどん新曲を書かれていて、どれもすてきなんです。7月もご一緒できるのが今から楽しみです。
すぐ隣に卓球室(専用ルーム!)があって、子どもたちがピンポンを打つ音が心地よく響いています。建物一階には昔ながらのアーケード。きっといずれ再開発されてしまうと思うのですが、こういう雰囲気の場所もずっと残っていてほしいです。
今回主催いただいている西澤さんはホンヤさんのオカリナを数多く製作されていて、草笛の名手でもあります。第2部の前にゲスト演奏。草笛は思ったよりもずっと小さくて、口の中に入れる形で吹きます。音程はまさに自分の声、きっと口笛のような正確さが必要だと感じました。西澤さんは声も役者さんのようで、それが笛にも反映、すばらしかったです。
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・・・さすがにずっと演奏し続けてきたので、急に音楽が聴きたくなってきました。だいたいライブが続いた後は自分の中で「ひたすら無音」を求めるか、「いっぱい聴きたくなる」のどちらかが起こるのですが、今回はだんぜん後者です。
神保町の「ミロンガ ヌオーバ」へ向かいます。もう50年以上続く喫茶店で、この日は知人のシャンソン歌手の上原英里さんのソロライブがありました。今月あるパーティーの演奏に誘っていただいていて、その前にぜひ聴きに行きたいと思っていました。ギターの弾き語りによるシャンソンやタンゴ、英里さんの歌声がゆっくりとこちらに語りかけてくるようで、なんてぜいたくな時間なのでしょう。となりの席のお客さんがハンカチを取り出し・・・そのとなりに座っていたご夫婦が見つめ合ってうなずく、こんなライブ空間にいられるなんて、感動しました!
英里さんは祖師谷のムリウイのオーナーのたけしさんから紹介いただいていて、こちらのライブのときに飛び入りでご一緒したのがきっかけ、今日はお客のつもりだったのですが、楽器持ちだったので・・・結局この日も逆に飛び入りでご一緒することになりました。ましてやこちらは女性アーティストのソロライブ、最後に自分がギターを持って登場するのはかなりリスキーです。それでもお客さんが迎えてくださってひと安心、これも英里さんのおかげです。すばらしい時間に感謝、ありがとうございました。
上原英里さん(右)と「ミロンガ」店長の浅見さん
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