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・5月24日(月)
この日はCUBAN CAFEでGYUさん主催のミロンガ。GYUさんのお忘れ物というか、こちらで預かっていた例のネクタイも無事届けたところで準備。この日は「Qばんちょこっとスペシャル」。いつもミロンガに参加されている若いダンサー(Kei&Keiko、Ryo&Wakanaの両ペア)がデモを披露する企画でした。
楽屋は気持ちのいい緊張感に包まれています。私も生演奏で久しぶりのソロ。ギター1本でタンゴを踊っていただくのはまだ経験が少ないだけに一緒に緊張しています。銀座ミロンガのような華やかさもすてきでしたが、こうしたアットホームなミロンガもとても好きです。
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・5月25日(火)
今週は埼玉の実家ベースで行動しています。午前中は家で地元の生徒さんのレッスン。夜は大塚グレコで山下”TOPO”洋平さんとのドゥオライブでした。2月のノチェーロに続き声をかけていただいています。それぞれのオリジナルと、アルゼンチンやボリビアの曲を演奏しました。洋平さんのオリジナルはいつもすばらしいです。
今年洋平さんとご一緒して、ものすごく久しぶりに演奏したのが「Selvas Virgenes(原生林)」という曲。ケーナ奏者のファシオ・サンティジャンによりその技巧があますところなく込められていて、私もその昔ケーナで吹いた経験があります・・・実はタイムリーでこの日のレッスンだった生徒さんが今年の始めにやりたい曲として持ってきてくれたのが「原生林」、これも何かの縁です。洋平さんの躍動感あふれるケーナ、ライブ動画がアップされています。
“Selvas virgenes”
http://www.youtube.com/watch?v=eGmsYZDx-0c
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・5月26日(水)
熊谷へ移動、若きケーナ奏者岩川光さんのレコーディングに向かいます。岩川くんは弘前から東京へ拠点を移し、22歳にして初のソロアルバムを制作中。うらやましいです。私は音楽修行から帰って「作りたいな~」と思って2年、「作らなきゃ・・・」と思ってさらに1年、最初の具体的な打ち合わせから実際に録り始めるまで半年かかり、そこから9ヶ月作業してようやく完成。結局構想から『不思議な風』リリースまで4年以上かかっています。比較も何も、これはかかり過ぎですね・・・
こちらもすごいのが、なんと1日で全曲1発録りというコンセプト。池田宏里さん、Daijitoさん、私がそれぞれギターでドゥオを組み、DATで完全アナログ録音。めったにできない経験で多少のミスもまたいい意味でライブ感、すごく熱い演奏になった気がします。仕上がりが楽しみです。こちらの持ち時間は2時間半で4曲は新記録かも。居酒屋クリークでレコーディングの打ち上げ、うっかり飲み過ぎて終電に間に合わず、そのままお泊まりとなりました。
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・5月27日(木)
小川紀美代さんとライブ前にリハ。小川さんの企画でのCDのレコーディングを続けていて、翌日の準備です。
このCDのきっかけとなったのは、アルゼンチンのパタゴニアに住む「グスタボ」と小川さんとの交流でした。グスタボは故・瀬賀倫夫さんが以前、日本に連れてきた青年(当時17歳くらいだったそうです)で、全盲のピアニスト。2003年に小川さんがアルゼンチンに行った際にグスタボに会い、MDでバンドネオンの演奏を録音していたそうなのですが、何年もたったある日、小川さんのところに突然国際郵便が届いて、そのMD音源には彼のピアノが重ね録り(!)されていました。
感動した小川さんは一緒のCDを計画、さらに私とも『不思議な風』での2曲以外はまだ録音がなかったこともあり、「3人で作ろう!」ということで、地球の反対側同士のプロジェクトが進行中です。
録音はもう終盤に入っていて、グスタボが先に録音したアルゼンチンサンバの曲にこちらで重ねていく予定。音源はピアノとギターの弾き語り、彼の歌がまたうまいんです。
リハの後はノチェーロでのライブ。小川さんは昨年末に拠点を札幌に移していて、ノチェーロは数少ない都内でご一緒できる機会となりました。この日もたくさんのお客さんが見えています。ホームということで、さっそくそのサンバを弾きます。私も歌詞を見ながらグスタボ代行?で歌いました。
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・5月28日(金)
今日のレコーディングではボンボも担当。埼玉から車で楽器を運びます。都内を運転するのは久しぶり。さすがに環七の内側に入ると交通環境ががらっと変わります。いつも車で移動しているミュージシャンはあらためてすごいと思います・・・あれっ、いきなり6車線に増えたと思ったら右4車線も右折なの?
くねくねしながらも2時間半ほどでスタジオに到着、ベンツの間をすりぬけながら駐車。小川さんは先にバンドネオンの重ねを終え、私はボンボ、コーラス、ギターの順に入れていきます。グスタボのソロの弾き語りの空気感を大事にしつつ、サウンドを広げられたらうれしいです。私は全日程は終えられなかったのですが、心配だったボンボの音が無事入って安心。後日ゲスト出演のDaijitoさんと残りのレコーディングをする予定です。
ちょっと寄り道してヨドバシAKIBAに車で入ります。駐車場は一気に地下3階まで降り、エレベーターで上がるといつもの店内。買い物を済ませて外に出るとそのままいつものように駅の改札近くまで行ってしまいました。習慣おそるべし。
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・5月29日(土)
月田秀子さん、飯泉昌宏さんと大宮で待ち合わせ、上越新幹線で湯沢へ向かいます。「津南ラテンフェスティバル」でのファドコンサート。越後湯沢からバスで40分ほど山を登った高原には田植えが終わったばかりの南魚沼の風景。もう米がおいしそうです。
会場はニュー・グリーンピア津南。もう今年で26回目のこのイベント。実はこのフェスティバルは長年瀬賀倫夫さんが運営されてきたもので、私も2004年に呼んでいただいたことがありました。まだ仕事もあまりなかったころで、この年は瀬賀さんに何度も新潟でのイベントに誘っていただきました。その時はまだご一緒するようになって間もない小川さんと、まだご一緒する前だった須藤信一郎さんと小泉博一さん、ジョルジュ高橋&リタさんがメインゲストで、いろいろと思い出がよみがえってきます。
開演は18時。地元のフォルクローレグループ「ロス・ワイラス」はフェスティバルの初期のころ(!)から演奏されていて、1月の新潟でのコンサートでもご一緒しています。月田さんとのステージでは飯泉さんと私も1曲ずつギターソロをいただいてタンゴを演奏。あっという間のステージでした。
毎年新潟や長岡からいらしているお客さんたちとはもう顔なじみ。交流会では山菜と日本酒が並んで「コンサート」のつづき。たくさんの出会いをくださった瀬賀さん、こうしてまた機会をいただいた月田さんに感謝です!
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・5月30日(日)
新潟から東京に戻り、そのまま築地へ向かいます。この日はチャランゴ奏者のイベント「チャランゴの集い」がCUBAN CAFEでありました。DaijitoさんやISHINOさんをはじめ企画運営もチャランゴ奏者でもう5回目(若手奏者による「チャランゴ新世代」を含めると6回目)、東京だけでなく、仙台や関西からも参加。すごいイベントです。
出演はチャランゴ奏者10人、そして長年ボリビアに滞在されていて一時帰国中の杉山貴志さんがゲスト参加。私はリッキー・ロドリゲスさんとドゥオ、Daijitoさん、岡田浩安さんとのトリオで1曲ずつ演奏しました。
リッキーさんとDaijitoさん
2006年の「第2回」は、当時ボリビアで闘病中だったウイリアム・E ・センテーリャスさんの治療を支援するチャリティーでもありました。しかし残念ながらセンテーリャスさんは昨年他界、遺した名曲は数知れず、私も大好きな曲ばかりです。「第5回」の最後は「ベン・ア・ミ(こっちへおいで)」を全員で演奏。ありがとうございました!
"Ven a mi”
http://www.youtube.com/watch?v=OsHEJiri7TE