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『ブエノスアイレスのマリア』発売記念ライブ鑑賞

5月19日(金)吉祥寺のスターパインズカフェで、オペリータ 『ブエノスアイレスのマリア』(アストル・ピアソラ作曲、オラシオ・フェレール作詞)が全曲フル上演されました。2021年の東京公演がCD化、そのお披露目のライブに観に行ってきました。

『ブエノスアイレスのマリア』は1968年初演、2幕・16場の大作です。ちなみに私もピアソラ演奏の最初のレコード(をCD化したもの)を持っていて、20年ほど前にミルバ版の来日公演を観たことがあります。その影響で何曲か抜粋して(耳コピしてシンプルにアレンジしたものを)ライブで演奏したこともありました…。

さて、この日は2021年公演の演奏参加メンバー(ダンサー以外)が全員集合、ということで総勢14名が出演。各界で活躍するスペシャリストたちで、しかも知っている方ばかり(7名の方とは共演経験あり)で、たまたま自分が松山から関東への移動日…これは絶対観るしかないと思いました。

…約2時間の舞台に、それはそれは圧倒されました。とても重厚な作品なので観る方も相当なエネルギー消費量、素晴らしい舞台に立ち会うことができました。

プロジェクトの企画&主催はヴァイオリニストの柴田奈穂さん。むずかしい状況下でも大型公演を企画、チームリーダーとしてメンバーをまとめて、舞台のCD化をやり遂げる姿は本当にかっこいいです。

スペイン語の語りと日本語字幕担当は西村秀人さん。現在のタンゴ研究の第一人者で、その語り(ドゥエンデ)は、原曲のオラシオ・フェレールの声がオーバーラップするほどの世界観でした。

サブリーダー(奈穂さん談)として参加の男性ボーカルはKaZZmaさん。マリア役の小島りち子さんと一緒に舞台配置の演出で最後列という立ち位置ながら、圧倒的なセンター感。どの位置に立とうが座ろうが関係ないことを証明するようでした。

2021年の舞台や、CD制作など関連会社の方々も勢ぞろいで、字幕のオペレーションもピアニストの青木菜穂子さんやフルート奏者の伊藤麻子さんが(曲を知っている、スペイン語がわかる、譜面が読める、パソコン使えるということから)担当されていました。

音楽全体を牽引する早川純さんのバンドネオンの音色、柴田奈穂さんのセカンドに入ったヴァイオリニスト会田桃子さんの隠しきれないオーラ、田辺和弘さんのシルエットでもわかるベースさばき、ピアソラサウンドを決定づける田中庸介さんのエレキギターの響き、リズムを完璧に司る海沼正利さんのパーカッション、赤木りえさんのフルートのあの存在感、そして小島りち子さんから立ち昇る「マリア」の雰囲気がすごかったです。

終演後、出演者の方ともお話することができて、(誰にもお伝えしていなかったので)「なんで来てるの~!?」と逆に驚かせてしまいすみません。10年ぶりにお会いしたのに、まったくそんな感じがなく、むしろこちらを覚えていてくれてうれしかったです。すべてSNSのおかげです。


KaZZmaさんのCDも素晴らしかったです!

桃子さん&庸介さんと

実はチケット予約をした後で翌日の自分のソロライブ(5/20佐野)が決まったので、もし順番が逆だったら鑑賞をあきらめていたかもしれませんが、絶対観たいと思っていたので本当に来てよかったです。おかげさまで翌日のソロライブの力になりました。むしろリスナー、観客として楽しむのが、演奏者として一番の栄養かもしれない、それを裏付けてくれる経験でした。奈穂さんありがとうございます!


2023.5.19『ブエノスアイレスのマリア』発売記念ライブ
吉祥寺 Star Pine’s Café

小島りち子(歌手・マリア)
KaZZma(歌手)
西村秀人(ドゥエンデ)
早川純(バンドネオン)
柴田奈穂(バイオリン)
会田桃子(バイオリン)
田中景子(ビオラ)
橋本歩(チェロ)
赤木りえ(フルート)
田中庸介(ギター)
相川瞳(ビブラフォン・シロフォンetc)
宮沢由美(ピアノ)
田辺和弘(コントラバス)
海沼正利(パーカッション)

Tango Querido主催 / 柴田奈穂プロデュース 歌劇『ブエノスアイレスのマリア』ライブ盤より Fuga y misterio<フーガと神秘>
※2021年公演の模様から

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