Kent Shiraishi Photo Blog

北海道美瑛町の大自然や身近な写真を、
海外へ配信するArtistの呟き。

僕には営業マンのセンスもあるかも?

2016年01月18日 | カメラ&写真
僕には営業マンのセンスもあるかも?


撮影ツァー "Shooting tour"
Biei in Hokkaido,Japan.

このところ毎日ずっと「科学的写真術講座」を受講されるお客様がいます。
朝早くから夜のライトアップまで、撮影と現像に忙しい毎日です。

一昨日まで3泊4日で受講されたお客様は、70代の方で、かつてフィルムカメラの645で撮影されていた方。
今はデジタルで2大カメラメーカーのフラッグシップを2台使われています。しかしパソコンは一切使えず、撮影後はカメラの○○○○に現像とプリントをお任せしています。しかも印刷は全紙か全倍でされているそうです。

さて僕の講座を受講された初日は、撮影現場にお連れしたら、直ぐに三脚を立てて黙々と一人で撮られていました。
僕の指導スタイルは、受講生から質問されない限り一切何も教えません。ただただ初日は撮影現場にお連れするだけでした。…そしてその夜、夕食時に僕の写真を100枚ほど4Kでお見せしました。その日一緒に同じ場所で撮った作品も入っていました。
夕食後、彼は初めて僕に質問しました。
「先生のこの写真は私と一緒に撮った写真でしょ? 撮影後に何か加工したんですか?」
「いいえ、この写真は撮って出しです。あなたが自分で現像しないと聞いたので、僕も何もしないでそのままです。」そう言いましたら、
「露出が素晴らしいですなあ~ブラケット撮影されてるんですか?」そう訊かれました。
「いいえ。昔はしましたが、今はもうそんな事は一切しません。撮影時に完全にコントロールできますから…」そう言いましたら、
「私は撮影後に背面モニターで確認してるんですが・・・これがなかなか難しいですわ」そういうお答え。
「ヒストグラムは見ないんですか?」
「何ですかそれは?私はそういう横文字は全く分かりませんのです。昔のフィルム時代の様に撮ってるんですわ…。」
今でもフィルムカメラで撮影する方は結構いますが、デジタルカメラをお使いなのに「ヒストグラム」を知らないとは・・・これは大変なお客さんだ。明日から本格的に指導しなければ…そう思いました。

次の日の朝、まず最初に「青い川」に行きました。そこで僕は2、3枚撮影して直ぐに車に戻り彼を待っていました。彼は30分以上そこに居て三脚を動かしながらひたすら撮影していました。
そして車に戻ったらすぐに、「先生撮るの早いですなあ~しかも手持ちで撮ったんですか?」そう訊いてきました。
「良い作品を撮る事は、けして撮影時間の長さに比例しません。三脚は僕も使いますよ、必要なら。でもこの場面では必要ないので使いません僕は。」そう話しましたら、
「先生の撮った写真見せて下さい。」そう言われました。そこで見せますと「露出が完璧ですな~先生は天才ですか?」
「ハハハ~そんな事無いですよ、デジタルカメラは上手に使えば誰でも簡単に使えるんですよ」そう語りながら、彼のカメラを手に取り、勝手に再生画面にヒストグラムが大きく出るように設定しました。そしてその見方を小学生でも分かるように簡単にポイントだけ解説しました。そしてその日一日、彼が撮影するたびに、僕はヒストグラムを表示させて解説しました。
その日の最後に彼は言いました「先生!この黄色いグラフは便利ですな~」。
これで今日の収穫がありました。

その日の夜、彼はまた質問しました。
「先生の作品は色がとても美しいですわ~どうしてですか?」
そこで夜はWB=ホワイトバランスの解説です。ホワイトバランスをオートで撮るのを止めさせました。「明日は僕の言う色温度で撮って下さい。ケルビンですよ!」そう言いましたら、「ケロビン?横文字はよう覚えられませんわ・・・ケロヨンなら分かりますけど…。」
「それならケロヨンにしましょう。要は4桁の数字の後ろにKがつくんですよ。ケロヨンのKでも構いません!」

さて最後の日の撮影は全てマニュアルWB(ホワイトバランス)です。
早朝は曇りでしたが太陽が滲んで見えました。
「先生!ケロヨンはいくつですか?」彼がそう訊き、「ここは6500ケロヨンです。」そう答えます。(正しくは6500ケルビン)
そうやって撮影し続け、そして少々遅い昼食をとっている時に、「先生!どうして撮影前にケロヨンが分かるんですか?」そう訊かれました。
(#^.^#)
そこで僕の使っているSONYのα7IIを見せて説明しました。「ファインダーを覗いて下さい。僕がケロヨンを変えます。するとファインダーで見えている色も変わるでしょ!」そうやって説明しましたら、
「何だ、先生の腕じゃなくてカメラが良いんだ!ハハハーそういう事ですか。撮影する前に黄色のグラフも見えるから露出も分かるんだ!凄い凄い!!」
「先生!私はこのカメラ買いますわ!! カメラの○○○○に付き合いの長い者がいますから、明日帰ったら型番見せて直ぐ注文しますわ。紙に型番書いといて下さい…。」
「私は先生が魔術師かと思ってたんですが・・・なんやカメラが凄かったんですな~ハハハ~」
けったいなおっさんやなあ~そう思いましたがまあ良いでしょう。ニコニコしながらとても満足して四国の田舎に帰って行きましたから…めでたしめでたし。
(#^.^#)
それにしても、またSONYのカメラ売ってしもうた。もしかして僕は営業マンのセンスがあるのかも???

最後に彼と一緒に撮影した写真から一枚。


"Morning Blue" Biei in Hokkaido,Japan.
「青い朝」 北海道美瑛町
(#^.^#)
ケント白石
北海道を世界に売り込む侍写真家
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