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今回はめずらしくファンタジー。でも宮部みゆきさんだ。
アニメをみる気になれなかった(声が、ヤダ)ので、よけいに気になっていたのだ。
まるでネバー・エンディング・ストーリー(の原作)のようだが、自分的にはそれよりもっと夢中になれた。
自分の運命を変えるために異世界に行った主人公。
異世界では「旅人」と呼ばれる存在である。
なぜ旅人なのか。物語が進んでいくうちになんとなくわかってくる。
目的を果たせば、一つだけ願いを叶えることができる。最初の目的は「つらい現実世界の運命を変えること」だったが、様々なヒトたちと出会い、学び、最後に主人公が選んだ「願い」は何になるのか、何にするのか。
それが途中からすごく気になってくる。現実世界の運命を変えるというのは、何か現実逃避していることになる気がしてならないからだ。
また、憎しみを抱く自分を認めたくなくて、自分だと思わないようにしていた主人公が、最後の闘いで「憎しみという感情をもつ自分も間違いなく自分自身なのだ」と認め、その自分を受け入れる場面。
考えさせられた。自分もそーゆーところあるからだろう。
「憎んでない、恨んでない」と自分に言いきかせているのだ。認めたくないのだ。
だけど自分を騙していることはよくわかっているんだよね。
これは、十代のうちにに読んで欲しい本として挙げられていたが、もちろん大人にもオススメするファンタジーだ。
宮部さんのファンタジーもイケますねぇ。