増田カイロプラクティック【読書三昧】

増田カイロプラクティックセンターのスタッフ全員による読書三昧。
ダントツで院長増田裕DCの読書量が多いです…。

医者も知らない甲状腺異常症候群

2010-09-01 11:05:09 | 増田カイロプラクティック図書
医者も知らない甲状腺異常症候群―あなたの病気は見逃されている!
B.O. バーンズ,Lawrence Galton
オフィス今村

このアイテムの詳細を見る


橋本病・バセドウ病・粘液水腫とういう病名は医療関係者でなくても聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。これらはすべて「甲状腺」の病気です。
甲状腺とは首の前のほうにある重さ30グラムにも満たない小さな内分泌腺です。小さいですがその働きはとても重要で、全身の代謝をコントロールしています。甲状腺から分泌されるホルモンは1年でスプーン1杯より少ないですが、これが体の熱を生み出すのに不可欠な役割をしています。このホルモンは、血液の循環や血液の量を維持するのにも働いています。その他にも筋肉の健全さや神経の鋭敏さにも不可欠です。体のすべての器官、すべての組織、すべての細胞が甲状腺ホルモンの影響を受けています。

甲状腺機能が極度に低下したり亢進したりすると先述したような病気として広く知られています。これは稀なケースです。
この本で主張しているのは、軽度・中程度の甲状腺機能の低下が多く見られること、様々な疾患の裏側に甲状腺機能の低下の問題が絡んでいること、そしてこれは多くのお医者様に見逃されていることです。軽度・中程度の低下は甲状腺機能を調べる血液検査では発見できません。
甲状腺の担っている役割は体全体に及びますので、それによって現れる症状も広範囲になります。
疲労・貧血・頭痛・易感染・皮膚症状・月経や妊娠の問題・高血圧・心疾患・関節炎・血糖の問題・肺疾患・肥満・老化などなど、様々な症状の原因に甲状腺機能の低下が疑われることが多いのです。本書では各章にそれぞれのケースについて発症の仕組みが書かれています。
小さな甲状腺の働きが弱るだけで、これほど多くの症状を生み出すことに驚かされますが、本書を読みすすめるうちになぜ甲状腺とその症状がつながってくるのか理解することができます。

「もしかしたら私も?」と思い当たる方は、本書に書いている簡単な検査法、基礎体温測定を試してみてください。100%正確に甲状腺機能を判定できるわけではありませんが、これが示す検査結果と症状はよく合致しています。
まず、夜入眠時に体温計を枕元に置いておきます。朝目覚めたら体を少しも動かさず、布団から出る前に脇の下で体温を測ります。著者の臨床経験から36.5度から36.8度が正常な範囲で、36.5度より低い場合は甲状腺機能が低下していることを示しているそうです。月経のある女性は、体温の変動がありますので月経が始まって2、3日目に基礎体温を測るのがベストで、それ以外の人はいつ測定しても良いです。

甲状腺機能の低下の対処法として甲状腺ホルモン剤の摂取について書かれていますが、ここでは触れませんので気になる方は本書を参照してください。ただこれは身体の機能を補ってくれますが、機能を向上させてくれるものではないようです。調子が良くなってホルモン剤を止めるとまた症状がぶり返してしまうでしょう。

NAETの考え方では、甲状腺の働きを下げてしまう原因があるはずです。
それを探して施術することで甲状腺ホルモンが分泌されるメカニズムを改善させていくことができるのではないかと私は思います。

本書は多くの方に読んでいただきたい本ですので、増田カイロの待合室に1冊、貸出用で何冊か用意しています。貸出しを希望される患者様はスタッフまで声をかけてください。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カビと健康の常識・非常識 | トップ | 裁かれるのは我なり―袴田事件... »

増田カイロプラクティック図書」カテゴリの最新記事