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アタシもおよそ20年前に一度だけ青林堂に伺った事があるが、文中の様にホントに古ぼけた材木屋の二階にあって階段が異常に急だった事を憶えている。確か、根本敬大センセの限定本を予約しに行ったのだが、長井氏は不在で既にその頃は引退直後だったのだろう。
商業ベースには乗らず同人誌に毛が生えた様な、お漫画月刊誌「ガロ」を刊行し続けた反骨の人、長井氏。その風貌と相まって野武士の様な印象の人だった。アタシも中学生ぐらいから「ガロ」に影響され、すっかりアングラ的な性格に‥。(笑)
おコラムは例の鼻血の表現で大騒ぎの「美味しんぼ」の件で、
長井さんだったら、どう考えどう対応しただろう?と結んでいる。
アタシの尊敬する根本敬大センセが若カリし頃にガロ誌上で差別用語を羅列したおマン画を掲載したところ、某人権団体からクレームがきてしまい、二人で謝罪に行き、その号は廃棄処分に。
そして、長井さん自身が廃棄処分している時に根本大センセがすまなそうにしていると「そんな事より、君がこれからおマン画を描く気が無くなってしまう方が心配だ。」と仰ったそうだ。
長井さんの人柄が偲ばれる素敵なエピソードだ。
で、話はチト飛ぶのだが、ハリウッド版「ゴジラ」がこの7月に公開される。十数年前のエメリッヒ版はヒドかったけど今回の「ゴジラ」の公開をアタシは楽しみにしている。
ご存じのようにゴジラは水爆実験の放射能の影響で太古の生物が現代に蘇り大暴れする映画。その他の東宝特撮映画の怪獣も放射能の影響で生物が怪獣化してしまう設定が多い。
ンで、件の黒ん‥違う、「美味しんぼ」で鼻血程度の表現で目くじら立ててる奴らは、東宝に「放射能でジュラ紀の生物なんて蘇らねーよ!科学的根拠はあるのか?」等とは文句をつけないのだろうか?
話が荒唐無稽なら許され、リアルだと許されないのか?
何にせよ、表現者は神経質にならねばならないイヤな時代だ。