「向日葵の咲かない夏」道尾秀介

直木賞作家の道尾氏の2005年発行の「向日葵の咲かない夏」を読んだ。

うぅ～とにかく暗い。重い。
道尾氏の名を世に広めた作品ともいえるが（確かデビュー２作目だったかな？）、まぁ～確かに読ませるのだが、とにかく暗い。
好き嫌いの評価がはっきり２分される作品ともいえるだろう・・・賛否両論激しいことで知られているのも良くわかる。

とにかく、いじめ、自殺、児童虐待、動物虐殺、家庭崩壊、輪廻転生・・・とにかく重苦しさ申し分なしという内容だ。

面白いんだけど、初期作品によく見られる強引さというか？粗さというか？浅さは正直眼につく。
これは少々無理があるなぁ～という点が多く見られるのは事実。だからミステリーという観点から期待して読むと浅さにがっかりする方も多いかも？でも、何だろうわりきって読めば面白い。少々強引な結末というか？種明かしにはトリックというよりやや笑ってしまうほどの荒技だが、確かに騙された自分がいるのも事実・・・そういう意味では面白いんだけど。

とにかく暗いんだ、重すぎるんだ。疲れている時には正直道尾作品はお奨めできないかなぁ～？暗い上にすごく重いし、残虐だし、何だろう気持ち悪いというか？変質っぽいものがあるのでそれなりに読んで欲しい。賛否両輪ある作品は、個人的には嫌いじゃないが・・・。
正直、読み終えて気分はあまり良くない。そんな面白作品です。

ちなみに、帯にある「このミス」１位というのに騙される方多いようだが、３作品での合計点で作者別トップという意味で、ここでも少々強引なセールスというのが気になってしまう？あまりこういうセールスに関わるところでトリックはいらないのですが・・・。