東日本大震災津波伝承館(いわてTSUNAMIメモリアル)(岩手県陸前高田市気仙町土手影180 高田松原津波復...
2023-09-16 11:57:13
陸前高田は大船渡の銭湯を訪れた時にBRTで通過だけしている。しかし降りたことはない。全国的にも名の知れた津波伝承館を訪れない訳には行かない。
伝承館目の前にもバス停はあったが、いったん陸前高田駅で降りて、街の中心街から歩く。大きなお店の建物こそあるが、住宅は全くなく、山の麓にやっと住宅が見える(陸前高田にどのくらい雪谷するのが当たり前知らないが、山の裾野は冬の終わりの雪崩と言う別の危険も心配だ)。開けた場所に建物が12年間経った今も何もない。他の三陸沿岸でも、ここまでの街は見たことがない。女川はかなり観光が回復していたし(街自体が小さいせいもあるが)、宮古もしかり。まずこの風景が衝撃的だ。
津波復興公園。伝承館はその中にあるが、奇跡の一本松も公園内にあり、まず一本松を見学。前回、バスの車窓から見たときは分からなかったが、20m近くありそうなかなり背の高い木だ。それにしても、絵顔で記念写真を撮る観光客には違和感があるな。その後ろには陸前高田ユースホステルの遺構があり、この建物が一本松を津波から救ったと言われる。さらに、12mくらいある防波堤を上り、砂浜の海岸を眺める(砂浜に降りる勇気はない)。砂浜には誰もいない。
さて伝承館、入場無料。まずは津波が発生するメカニズムを科学的に紹介。千年以上前から津波の記録が残っている。津波は地震を感じていなくても来る、チリ大地震のような地球の反対側の地震だったり、海底地震で地上はほとんど揺れなくても大きな津波が来たり。
次に、壊れた橋や消防車の展示。街が壊滅するくらいの威力があるのだから、鉄製の橋も一たまりもない。
そして、東日本大震災発生時の克明な記録。消防隊、自衛隊、医療部隊などの分刻みの活動記録。もちろん、ワイドスクリーンでのショートフィルム上映でも、関係者のインタビューを交えながら克明な記録を説明している。
今年は関東大震災100年と言うことで、特集番組も多かった。同じ地震なのに、関東と三陸では(火災はこちらでも発生したが)、かなり災害の形が違う。早い話、内陸に住んでいると、地震の後に津波が来る、という感覚は分からない。こういう機会に学んで(あるいは学校での避難訓練などを通じて)、初めて避難活動ができる。
そもそも、実際に被災した方々には、こうした画像や映像は刺激が強過ぎるだろう。「伝承」を謳っている通り、津波を経験していない人、そして代代わりして、次の世代の沿岸住民が見ることに意義がある。なかなかアクセスが大変なロケーションだが、多くの人々に見て欲しい展示。
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