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続いて青森県立美術館。夏なら酸ヶ湯、八甲田山を経由すると近いのだが、冬季はバスが運休になる。とは言え展覧会は待ってくれないので、青い森鉄道経由で回り道。
青い森鉄道ではかなり爆睡。相変わらずこの路線は学生が多い。青森駅は工事中、ここにサイゼリヤが入るのだな。バスには長蛇の列、奈良美智展、もうすぐ終わりで込みそうな予感。しかも座席の隣は中国人、インバウンド観光客も来る展覧会だったか。
実際、チケット売り場で並んだ。こちらは1500円、しかし、企画展のみで常設展は見られないチケットらしい。
こちらは当たりだった。まず青森美術館の建物内観が素晴らしい、天井が高いのだ。
最初はまず、シャガールの巨大カーペット画がお出迎え。このような巨大な作品は、東京では渋谷駅の岡本太郎くらいしか知らない。それが4枚、圧倒される、の一言。
さて奈良美智展、デッサンがなども含め、お馴染みのちょっと斜に構えた少女画。アイコンとして定着しているので、コミックの原画のように誤解していた時期もあったが、こうして美術館で本物を観ると、間違いなく現代アート。中国人だけでなく欧米人も見かける。盛岡じゃあまりない光景。
どうも奈良さんという人、めちゃくちゃロックンロールな人らしい。ギターを弾く少女画もあったが、明確にNo Warメッセージを発していた時期があって、まさにビートニク世代(全共闘世代)ど真ん中。少女の笑わない表情もそういうところに原点があるらしい。
十和田美術館でも草間彌生の作品と並んで展示(館外)されていたように、こうして美術館で観賞すると、実にボップな作品群だ。女子グループもいるし、ファミリーもカップルもいる、いろいろな人たちへの訴求力があり、インバウンド人気も納得。東京でやっても(というか、昔はドイツで活動してたから、ドイツ(デュッセルドルフとか)で個展も数多くやっていた)全く遜色ない、大変見応えのある展覧会だった。
常設展は拝見出来なかったが、「ブキウギと淡谷のり子展」も無料開催されていた。朝ドラ好きならご存知だが、福来スズ子モデルの笠置シヅ子が大阪出身なのに対し、茨田りつ子モデルの淡谷のり子は青森出身。ブルースの女王と称されているが、子どもの頃はまだご存命で、シアターで上映されていたピアフなどのシャンソンも歌っていた。むしろこっちの方が私個人の淡谷のり子のイメージだ。やはり本物の歌唱は茨田りつ子とは違う(当たり前)。こちらもいいもの観た。
と言うことで、帰りは新青森駅まで3km走る。新幹線乗るような人はタクシー使うかもしれないけど、私は盛岡まで立ち席特急券なので。天気予報では雨と言っていたが、無事晴れた(ここの天気が一番気になっていた)。ただ、新青森駅手前で猛烈な雪が降ったけど。