DEEP ACIDなんでもかんでも日記・ヤプログ!より移行

Stuart Hall

 現代思想の臨時増刊でカルチュラルスタディーズの創始者、スチュアート・ホールが2月になくなったのを知った。カルスタに直接触れるきっかけはもちろん日本人学者(上野俊哉先生、毛利嘉孝先生)経由だが、僕はカルスタに触れたことでロックなどの現代サブカルチャーと政治問題を接続(アーティキュレート)して考えるようになった。Dick Hebdedge / Subcultureなんか、モッズ、パンクスなどのロックファッションの意味分析なんか夢中で飛び付いて読んでいた。今でもそういう政治的な接続を抜きにして音楽を聞くことができない。
 ある意味、60年代のような政治と文化が密接な関係にあった時代に憧れて、80年代、90年代、あるいは21世紀を読み解こうと言う試みではある。しかし、文化と政治が無関係な時代などそもそも存在しない。アイドル論にすら政治的な要素は潜んでいる。なぜなら文化と言うものは、ある程度のセグメント(対象層の限定、そもそも社会を層に分けて考えること自体も政治的だ)はあるものの、基本的に社会の共有物だからである。
 自身も個人的環境よりも政治的環境の変化によって聞く音楽に影響を受けている。学生時代に接した音楽とは別に、90年代前半の、おそらくはベルリンの壁崩壊の影響を受けたかのような旧共産圏からの音楽や映画にも強く影響を受けた。
 80年代にもFoucaut、Derridaらのポスト構造主義、ポストモダンのようなスタイリッシュな思想流行はあったが、更にカルスタはその敷居を下げたような気がする。
 ご冥福をお祈りします。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「社会・政治」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事