あるおそろしく暑い日のことだったが、
ニュー・ヘブン鉄道の食堂車で昼食をとろうとした。
車内は満員で、かまどのように蒸し暑い上に、サービスはもたついていた。
給仕がやっとメニューを持って私のところへ来た時、
『 あの暑い調理室で働いているコックさんは、たまらないだろうな 』 というと、給仕は何か わめきはじめた。
私は最初、彼が立腹したのかと思った。
『 まったく、お客さんはここへ来て、食べ物がまずい、サービスが悪い、暑い、
値段が高いなどと不平ばかり言われます。
私はここ19年間、そういう文句ばかり聞かされていますが、
あの釜の中みたいな場所で働いているコックに同情してくださったのは、
あとにも先にもあなただけです。
あなたのようなお客さんが増えたら、まったく助かります 』
彼は大声でこう言ったのだった。
D・カーネギー 道は開ける 香山 晶 訳より
アガパンサス
ニュー・ヘブン鉄道の食堂車で昼食をとろうとした。
車内は満員で、かまどのように蒸し暑い上に、サービスはもたついていた。
給仕がやっとメニューを持って私のところへ来た時、
『 あの暑い調理室で働いているコックさんは、たまらないだろうな 』 というと、給仕は何か わめきはじめた。
私は最初、彼が立腹したのかと思った。
『 まったく、お客さんはここへ来て、食べ物がまずい、サービスが悪い、暑い、
値段が高いなどと不平ばかり言われます。
私はここ19年間、そういう文句ばかり聞かされていますが、
あの釜の中みたいな場所で働いているコックに同情してくださったのは、
あとにも先にもあなただけです。
あなたのようなお客さんが増えたら、まったく助かります 』
彼は大声でこう言ったのだった。
D・カーネギー 道は開ける 香山 晶 訳より
アガパンサス