老犬の独り言

Duffer Dog monolorue

津村節子「流星雨」

2024-08-04 19:54:00 | 読書
歴史小説は今までもあまり読んでいない。藤沢周平、吉村昭くらいかな・・・。
歴史小説「流星雨」は会津藩が朝敵にされて下北半島斗南藩へ落ちていく明治に切り替わる時期の上田家の話。歴史上の人物や勢力構図はほぼわからないが真に迫る数々の場面は実にすばらしい。
第4章あたりから主人公「あき」の人生が好転してきハッピーエンドで終わるかと思いきや最後のページでとんでもない結末が待っていた。
いろいろなことを考えさせられた作品ですね。

郭に売られた少女

2024-07-19 07:24:26 | 読書
津村節子の小説3編を読んだ。いずれも郭に売られた少女の話。『石の蝶』『黒い潮』『海鳴』。吉原、八丈島、佐渡と舞台は異なるが身を売られた少女の壮絶な生活を綴った傑作です。1965年に『玩具』で芥川賞を受賞しています。
津村節子は現地を取材し資料を調べてその上に人物などフィクションを組み立てていく、と自身も『ふたり旅』で語っている。夫の吉村昭は膨大な資料や現地と調査や聞き取りを行い史実を組み立てゆく作家で傑作が多い。

「鉄塔家族」佐伯一麦

2024-05-21 07:54:51 | 読書
仙台の新興団地に建て替えで新たに設置される電波塔の建設の進行に合わせて夫婦と関わりのある人々の話が進んでいく。淡々と話が進む佐伯氏の話法がここでも繰り広げられている。
小沼丹を読んでいて佐伯一麦が読みたくなりこの長編を選んだ。