当時まだ皇太子皇太子妃でいらした両陛下は、新郎新婦の国麿さん典子様と共に入場された。
媒酌人(後見人)という立場だったからだ。
媒酌人は主賓ではなく、新郎新婦や両家の親と同様に披露宴の主催者である。
典子様の結婚披露宴は、高円宮家の私的な行事。
ところが、皇太子ご夫妻が新郎新婦の後見人、披露宴の主催者となった事で、
天皇皇后両陛下主催の晩餐会に次ぐ格式の高い、公的な晩餐会の様相となった。
主賓は安倍総理大臣。
安倍総理の出席はあくまで私人としてである。
しかし、総理大臣まで出席した事で公式行事と勘違いした人も多かっただろう。
安倍総理は神道の政治団体の長である。
皇室と出雲大社を結ぶ結婚披露宴の主賓に招待されてもおかしくない肩書きではあるが、高円宮家の披露宴には格が高すぎた。
皇太子ご夫妻主催の晩餐会だからこそ、主賓として招待出来たのである。
上皇ご夫妻の第3子の清子様の結婚披露宴は、石原慎太郎都知事を主賓とする、アフタヌーンティーであった。
高円宮家は宮家の末席。
しかも、当主は既に亡く、当主格は民間出身の妃である。
皇女の結婚披露宴より盛大な披露宴を開く立場にはない。
しかし、それまで注目を集める事も無かった下位の皇族だからこそ、「これぞ皇族」というところを見せなければならなかった。
民間人の中に埋没してしまったら、皇室を支える事は出来ないのだから。
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