私がまだ実家にいた頃、時々母が兄にお金の話をしているのを見かけたことがある。
兄は働いていなかったので、母が兄の為に積み立ててきた貯金と祖母からの遺産(私も貰ったけど、かなりの額だった。私は台湾へ来てたった数年で溶かしたけど)を切り崩して渡していたようである。
無理もないけど、母は兄にかなり冷たく当たっていた。
父は楽天的なお人よしタイプなので冷たく当たるようなことはしないが、必要以上に触れようとせず、腫れ物のように扱っているような感じがした。
兄と両親が普通に家族らしい会話しているのももう15年くらい見ていない。
私も実家に帰った時に気軽に兄に話しかけてみたら案外普通に話せるんじゃないかと思ったけど、結局勇気が出なかった。
いつか兄が爆発して両親を襲ったり家をめちゃくちゃにしたりするんじゃないかという不安を感じることも時々ある。
だから私は今1人で台湾にいて正直ほっとしている。
今思えば、私の日本での生活は暗すぎた。
本来最も落ち着くはずの我が家が私には息苦しいものだった。
いつしか精神的に追い込まれて、動悸がしたり夜眠れなくなったりすることがしょっちゅうあった。台湾に来てからはもちろんなくなった。台湾に来た理由をしばしば聞かれるけど、さすがにすべて正直には話していない。
しばらく兄のことは記憶に蓋をするように忘れていたのだけど、今回の書留の件でブワッと思い出してしまった。
そして、ついに兄が死んだんじゃないか?なんて不謹慎なことを思った。
兄が死ぬとしたら自殺だろうと思う。
最悪、両親を殺して自分も死ぬという方法も取りかねないと本気で思っている。
結局のところ、今回の書留の中身は、A4封筒に入った開封されてない年金のお知らせと母からの普通の手紙で、誰も死んでいなかった。
大きいサイズの封筒は書留でしか送れなかったんだろうか。
もう2年以上日本に帰っていないんだけど、まだしばらく実家に帰ることは辞めておこうと思う。
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