本書では、ソーシャルメディアによる「フィルターバブル」の形成と、「集団極性化」現象について、わかりやすく解説されている。
価値観により分断され、フェイクニュースとボットに煽られた人びとは、ときとして、過激で排外的な思想に極性化し、「一時的な多数派による専制」が成立する。
「トランプ現象」や「ブレグジット」も、このような図式で理解すればわかりやすい。
本書で詳説されているロシアによるネット工作も不気味だ。
アメリカの大統領選挙やイギリスEU離脱の国民投票では、私たちが無意識のうちに提供している多くの個人情報が選挙キャンペーンや世論形成に利用された。嘘を混ぜたプロパガンダや個人の不安に直接訴える「マイクロ宣伝」といった、巧妙なサイバー戦略は、近い将来行われるであろう日本の国民投票でも使われるのは間違いない。これらによって醸成されたポピュリズムに私たちはどう抗うのか。欧米での徹底的な取材からデジタル時代の民主主義を考える。
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