なぜ現代人はペットに惹かれるのか、ケース・スタディもまじえて展開される現代家族論。そうなかみの濃い内容でもないが、くだけた家族社会学の入門書としても役に立つ作品だ。
1980年代後半、おそらくファミリー・アイデンティティについての問題提起の一環として、ペットを家族の一員として認識している人が多いという調査結果にもとづいた研究を報告したら、「大先生」たちからフルボッコにされた旨の恨み言が書かれていて、ワロタ。わたしの(院時代の)指導教官も、現代人はペットも家族の一員として認めているなんてぬかしているバカがいると言って憤慨していたが、山田センセのことだったんだな。w
1990年代パラサイト・シングルが急増し家族構造が激変する中、ペットの位置づけは変わった。ペットはいまや、現代人にとって人間以上にかけがえのない〈感情体験〉を与えてくれる家族となった。空前絶後のペットブームの実態とさまざまな家族の事例を通して、気鋭の社会学者がペットの新しい役割に光をあてる。
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