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本と音楽とねこと

ブラッド・ダイヤモンド

 ひたすら重苦しい内容の映画だ。アフリカ大陸においては、ヨーロッパ列強による鬼畜のような植民地支配と奴隷貿易、部族の生活圏を無視して国境線を線引きされたいびつな国家の成立と部族間の抗争、それに豊富な天然資源の利権が絡み、本映画の舞台で世界有数のダイアモンド産地のシェラレオネも含めて、20世紀後半期以降、幾多の無差別大量殺戮が繰り返されてきた。なかでも、殺戮兵器として反政府ゲリラに養成される少年兵の存在には、多くの人々が涙し憤りを感じるだろう。いまもなお続くアフリカの悲劇を知るにもとても良い映画だ。

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タイトルの「血に染まったダイヤモンド」とは、アフリカで不法に採掘され、武器輸入などの資金源となるダイヤ。内戦が続くシエラレオネを舞台に、元傭兵でダイヤモンドを横流しするダニーと、RUF(反政府軍)に家族を奪われた漁師のソロモン、そして不法ダイヤの実態を明らかにしようとするジャーナリストのマディーが、壮絶な運命をたどる。
何よりも衝撃的なのは、アフリカの実状だ。RUFによる人民の虐殺や拷問めいた行動。エドワード・ズウィック監督は、躊躇なくショッキングな映像を積み重ねていく。とくに、RUFに捕らわれたソロモンの息子を始め、銃を手にした子どもたちの行動には目を覆うばかり。キャストはそろって好演だが、ディカプリオの熱演が光る。ソロモンが発見したというピンク・ダイヤモンドを狙って悪役の面も出しながら、アフリカの現実から逃れたい切実さまで醸し出し、クライマックスの彼の表情には涙を誘われる。
社会派の重いテーマを貫きながら、要所での派手なアクション、ほのかなラブストーリー、さらに人間同士の感動ドラマが無理なく絡み、娯楽作として見ごたえ満点なのは高く評価されるべき。(斉藤博昭)

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