
ル=グウィンの原作は、トールキンの「指輪物語」には及ばないながらも、壮大なストーリー性と豊穣な意味に満ちたよい作品なのだと思う。映画化された「指輪物語」は、膨大な予算を投じて実写化された分、原作と切り離して評価すれば、まあ見ても損な作品ではなかった。ところが、このアニメ化された「ゲド戦記」には、壮大な物語性も豊穣なる意味もありはしない。父ちゃんがつくった「千と千尋の神隠し」や「風の谷のナウシカ」のような色彩美にも乏しい。(ついでながら、ストーリーは好きだが、「ハウルの動く城」や「となりのトトロ」は、色彩美という点でいまいちだった。)安っぽいTVゲームを疑似体験しているような退屈感が残った。(実際、'Prince of Persia'というRPGに酷似したシーンがある。)
ストーリー性と豊穣な意味、そして色彩美とがそろってないと、大人の鑑賞に堪えうるアニメにはなりがたい。その意味で、典型的な失敗作だ。
最新の画像もっと見る
最近の「DVD」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事