拙宅の外壁を塗装してくれたのは、地場の工務店の下請けのペンキ屋さん。年下の親方が年上の見習いを厳しく叱責するのが気がかりだったが、仕上がりは満点。さすがは一切手を抜かないプロだと感心した。
そんなペンキ屋さんはいわゆるヤンキーと親和性が高い。本書に登場する職人さんたちも、若い頃はヤンチャをした人が多いが、たしかな技術と仕事への誇り、そして粋な心意気から、お金のない自治体の学校、福祉施設、役場等、ハワイから東北、熊本まで、無償でペンキを塗り続ける。
災害や戦争、そして貧困は、「色のない世界」をつくり出す。そんな世界をペンキで変えたいと思い奮闘する職人さんたちの姿は、尊く頼もしい。
塗魂ペインターズ
目次
第1章 在日と七三と発進と
第2章 自殺未遂と交通事故
第3章 元暴走族と難病の女
第4章 ペンキ屋なんてくそじゃないか
第5章 口ひげのふたり
第6章 白いペンキは、魔法の塗料
第7章 デコピン、逃避行…愛すべき面々
最終章 なぜ彼らはハワイに行ったのか
ニッカポッカたちの社会貢献。とある会合で出会ったペンキ屋同士がはじめたボランティア活動は、瞬く間に日本全国のペンキ屋を巻き込み、国内のみならず世界を股にかけた活動にまで発展する。―その軌跡と心意気に迫る!
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