伊藤公雄・樹村みのり・國信潤子,2019,女性学・男性学〔第3版〕──ジェンダー論入門 ,有斐閣.(8.8.24)
ジェンダー論の決定版テキスト最新版!女と男をトータルに論じた好評の入門書。恋愛、労働、育児など生活のいろいろな場面に焦点をあてた本文、女と男をめぐる名言・迷言集、マンガ、学問の営みを解説した特別講義、コラム、参加・発見型学習のためのエクササイズなど、工夫された構成で迫ります。最新データを盛り込みますますパワーアップ。
自分の専門か、それに近い領域での入門書や概説書には、どうしても辛口になってしまうのだが、そりゃそうだ、すでに知っていることや考えたことがあるものしか書かれていないのだから。
性別格差、性差別や、性別とそれに付与された意味づけからくる生きづらさの問題に関心をもつ大学1年生が、ジェンダー・スタディーズのとっかかりにするには、本書は悪くない。
ジェンダー・スタディーズで解ける問題、考えなければいけない問題が、満遍なく取り上げられているのが良い。
ただ、総344ページの分量は、入門書としては多すぎるし、大学1年生が読みとおすのは少し難しいかもしれない。
目次
第1章 女であることの損・得、男であることの損・得
第2章 作られる“男らしさ”“女らしさ”
第3章 ジェンダーに敏感な教育のために
第4章 恋愛の女性学・男性学
第5章 ジェンダーと労働
第6章 多様な家族に向かって
第7章 育児はだれのもの
第8章 国際化のなかの女性問題・男性問題
第9章 男女共同参画社会の見取り図