「オバマケア」は、民間保険会社の保険料を高騰させただけであり、米国中間層の多くが、実質、無保険状態におかれたままである。
バラク・オバマは、大企業から空前の献金を受け、大統領に再選された。連邦政府予算で救済された金融機関に呈したのは口先だけの苦言だけであり、オバマはまさに「名誉白人」として、「1%」の富裕層と、金融資本、軍産複合体等に奉仕しただけであった。
こうして考えてみると、ドナルド・トランプは、オバマよりはまだましな政治家であったことがわかる。
すでに、イギリスのNHS(国民医療サービス)は崩壊している。(ブレイディみかこさんによれば、病気になっても診察を受けるまで数か月待たされることから、自費診療を受けざるをえないという。)米国、イギリスとともに、新自由主義の草刈り場となってきた日本。堤さんが危惧するとおり、日本の国民皆保険は少しずつ切り崩されつつある。
日本の医療や介護の水準が、米国の金融資本によりさらに切り下げられないためにも、堤さんの迫真のレポートは貴重だ。
堤未果,2015,沈みゆく大国 アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉,集英社.(6.20.2021)
リーマンショック以降、ますます巨大化するウォール街と多国籍企業群の最強タッグ。彼らが次に狙うのは、一〇〇兆円規模の日本の医療・介護ビジネスだ。世界が絶賛する“国民皆保険”に私たちが無関心でいるすきに、他国を次々に食い物にしてきた強欲資本主義の魔の手がじわじわとのびる。急速に高齢化する日本は、世界規模のマネーゲームから逃げ切ることができるのか?気鋭のアメリカウォッチャーが、綿密な現場取材と膨大な資料を通し書き下ろした。ベストセラー『沈みゆく大国アメリカ』に続く驚愕の姉妹編!
堤未果,2016,政府はもう嘘をつけない,KADOKAWA.(6.20.2021)
パナマ文書のチラ見せで強欲マネーゲームは最終章へ。「大統領選」「憲法改正」「監視社会」「保育に介護に若者世代」。全てがビジネスにされる今、嘘を見破り未来を取り戻す秘策を気鋭の国際ジャーナリストが明かす。
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事