敬体で綴られた冗長な文章に少々食傷気味となったが、アメリカにおける子どもの貧困と発達についての研究レビューはたいへん参考になった。子どもの貧困がもたらす悪影響についてほぼ余すところなく詳細に検討し、児童福祉の根本的な転換を促す有益な提言を行ったいい本だと思う。
目次
1 概論
貧困化の著しい日本の子どもたち
なぜ子どもたちは貧困に陥ったのか?
2 現実
学力格差と児童虐待
脳・身体・こころへの影響
貧困が子どもたちを蝕むプロセス
3 対策
生活保護と児童養護施設はいま?
各国の貧困対策に学ぶ
家賃を払えず、児童養護施設に預けられる3歳のミヤと4歳のシン。生活保護の申請を受理してもらえず、給食の時間までぐっとお腹が鳴るのを堪える小2のタクヤ......今や7人に1人の児童が経済的に困窮しており、ひとり親家庭はOECD諸国中で最貧困である。
日本は、アメリカと並ぶ最低水準の福祉となってしまった。 しかも、日本だけが事実を無視し、対策を取らず、貧困な子どもたちを社会的にネグレクトしている。
本書は、この問題に対して私たちの認識を研ぎ澄ますために書かれたものだ。日米の児童福祉の現場経験をふまえ、理論・歴史・統計などの多角的な視座で実態を検証し、解決策を考える。
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事