本と音楽とねこと

どこまでも汚らしい肥だめのような国・日本

 アベシンゾウの『美しい国』は、たちの悪いろくでもない冗談としか思えなかったものだが、10年近くにわたって自殺者が3万人を超え、過労死する者、鬱病患者、貧困層が急増し、診療報酬改定でリハビリを打ち切られた病人がばたばた死んでいく、列挙すればほかにもきりがないが、そうした社会を設計したきた張本人、まぎれもないその一人が「美しい」と形容してはばからない、その汚らしい心性に心底戦慄したのはいつのころだったろう。

秋葉原通り魔殺傷事件(その6)容疑者は日研総業の派遣社員で裾野市にあるトヨタグループの関東自動車工場勤務 6月一杯で辞めるよう通告を受ける
 ちなみに、日研総業は、むかしは893にしかできなかった労働力の中間搾取(ピンハネ)で急成長してきた人材派遣の同族企業。廃業したコムスンを傘下においていたグッドウィルグループも同種の企業だ。正社員でさえその労働の過酷さに絶望してしまう自動車工場の現場にがんがん派遣社員を導入し、カイゼン運動やらカンバン方式とやらで徹底的に生産コストを削減して、ヨーロッパの小国のGDPをもしのぐ内部留保(企業資産)を築き上げてきた巨大企業。「レクサス」をグローバリゼーションによる繁栄と平和の象徴として賛美する脳天気なアメリカ人ジャーナリスト。また、「レクサス」ブランドのクルマを得意げに乗り回す日本の小市民たち。醜悪だ。

<キヤノン>研究所の男性社員自殺、労災認定…過労が原因
 某大手電機メーカーに勤務しているわたしの兄は、過労死にまでは至らなかったが、深刻な精神疾患に陥った。偽装請負に過労自殺、こんな問題を労働現場で引き起こしてきた企業も、これまた世界に冠たる一流メーカーである。

 そして、わたしは、毎日、トヨタの車で通勤し、自宅ではキャノンのプリンタを愛用している。両者とも工業製品としての完成度はパーフェクトに近い。
 そんなわたしは、ろくでもない偽善者なのか、解離性同一性障害者なのか。自分自身に猛烈な吐き気をもよおしてきた。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

コメント一覧

古井戸
汝の隣人を愛せよ
http://blog.so-net.ne.jp/furuido/
大量の<非正規>労働をほったらかしにしているニッポンという存在を放置している国会、政府、大企業に未来はないし、あってはならないとおもいます。加藤容疑者の事件は、同じ状況で働いている多数の工場労働者の共感が得られるでしょう。英雄視されるのは当然のことだとおもう。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「Weblog」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事