素人、考古学・古生物学を学ぶ

人類の起源・進化・移動や太古の昔、日本に棲んでいたゾウ類にも関心があり、素人の目線で考えてみます。

博物館めぐり、その12

2024年09月09日 19時10分55秒 | 絶滅と進化
               
             千葉県立中央博物館めぐり、その2


  先ずは、千葉県立中央博物館の常設展示の狙いに注目しておきましょう。狙いを一口で言えば、それは「房総の自然と人間」に主眼をおいてあり、また総合博物館ですが、展示は「自然史的側面」に比重がおかれているということです。
  この博物館の展示の組み立てですが、第一に房総の地学に始まり、房総の生物、外房・内房の海、東京湾の自然、房総の歴史、そして自然と人間の関わりをテーマに展示が組み立てられているところに特色があります。
博物館として、千葉県立中央博物館のもう一つの大きな特色といえば、野外の博物館「生態園」でしょう。

  この野外博物館「生態園」は、「房総半島の代表的な森林や草地の姿」を、博物館を見学に来た人々の目に焼き付けるような作りになっています。野鳥観察施設をみましても、本館の展示に勝るとも劣らぬ野外展示施設であるといえます。
そしてチバニアン期が2020年1月正式に決定されてからは、第四紀中期更新世(チバニアン期)に焦点を当てて、古生物の展示に力点がおかれていることが注目されます。以下、チバニアン期(千葉地質時代)に少しばかり触れておきます。
 
  地磁気(ちじき)の逆転、それは46億年の地球の歴史において、最大の謎といわれています。実は、地球には磁石の働きがあるのです。それを「地磁気」と呼んでいます。その地磁気逆転の時期が約78万年も前の第四紀更新世の前期と後期の境界に当たる地質時代といわれています。

  ところで更新世は、前期、中期、後期に分けられていましたが、現在はチバニアン期(78万1000年〜12万6000年前)を「更新世」の中に独立させて表記するようになりました。後期更新世は12万6000年〜(西暦2000年を基準に)1万1700年前までをいい、そして前期更新世には、カラブリアン期180万6000年〜78万1000年前までと、ジェラシアン期258万8000年〜180万6000年前までの二つの地質時代を含めています。したがって、第四紀更新世は、ジェラシアン期、カラブリアン期、チバニアン期、そして後期更新世期の四つの地質時代からなります。新しく加わったチバニアン期(千葉時代)は、第四紀更新世の前期と後期の境界に当たる時代に位置していることになります。

  地磁気逆転の時期について、大学共同利用機関法人で「情報・システム研究機構、国立極地研究所」や国土地理院の説明などをいろいろ調べてみますと、地磁気逆転の平均的な期間は約30万年ということなのです。一般には、地磁気の向きは数万〜数十万年ごとに逆転を繰り返すといわれています。ですから、直近では約78万年前に現在の向きへと逆転したことが知られています。 
 
  「情報・システム研究機構、国立極地研究所」などの研究グループによりますと、「地球史上の直近に起こった約78万年前の地磁気の逆転では、約2万年にわたり地磁気が不安定な期間が続いたことが、地質年代名《チバニアン》の由来となった」のだそうです。このことは千葉県市原市の地層の分析でも明らかになったということなのです。

  われわれが方角(方位)を知る上で重要な「磁石(方位磁石)」は、ある意味で身近な存在ですが、これが実はチバニアンと密接な繋がりがあるのです。
細かなことは解明されていないようですが、「地磁気は主に地球内部の外核で溶けた鉄などが対流して存在する」、ということは分かっています。つまり、地球全体が大きな磁石のようなものだといわれています。われわれが通常使用している磁石を念頭に置いてみましょう。

  磁石をみますと、現在は「N」が北を指していることは誰でも知っています。ところが、これが謎なのです。上述しましたように、実は「地磁気の向きは数万〜数十万年ごとに逆転を繰り返しており、直近では約78万年前に現在の向き(「N」は北を、「S」は南をさす。)へと逆転したことが分かっています。

  いろいろ調べてみますと、過去の地磁気の向きや強さは、各時代の地層の磁性を持つ成分を調べることで明らかになります。チバニアンが認定されることになったのも市原市の地層がこの逆転を極めて明確に記録していたからだといわれています。





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