マチュピチュ遺跡のいちばん奥まったところにある段々畑 ・・
(12月21日のブログ参照 )
様々な種類の植物を栽培していた痕跡が、
この場所で発見されています。
低地でしか育たないコカの木も栽培されており、
ここは植物の品種改良を試みた場所 ・・
つまり、農業試験場であったという説が有力です。
太陽の恵みを最大限に生かすために、
北東 (南半球なので ) に向かって広がる段々畑 ・・
石を積み上げ丹念につくられた段々畑は、
保水と水はけのバランスを考え、
いちばん下に大きな岩、その上に小石、さらに川の砂、
そして、いちばん上に土という4層構造になっています。
山の高いところに降る雨は
地下水となって傾斜を流れ落ちます。
農業に不可欠な水は、
この地下水をサイホンの原理で
取り込んだと考えられています。
(遺跡の中の生活用水も同様 12月6日のブログ参照 )
また、土中から
肥料として使ったと思われる海鳥の糞が発見されています。
海岸から遠く離れたマチュピチュ (約400km ) ・・
農業への熱意が窺えます。
遺跡内の段々畑は、
栽培の様子を人に見せるためにつくられたとしか思えません。
品種改良した植物や、新種の植物をここで披露したのでは ・・
マチュピチュは宗教的には巡礼地であり、
同時に、巡礼者に対して農業技術などを啓蒙する
場所だったのではないでしょうか。
農業基盤の充実 (食糧確保 ) は国の安定につながります。
マチュピチュ建設には農業政策的な目的があった ・・
そんなふうにも考えられると思います。
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