メキシコシティの南部に広がる水郷地帯=ソチミルコ・・
ここはかつてメキシコシティを取り囲んでいた
巨大な湖の一部だといわれています。
週末には、カラフルな船を浮かべて、
マリアッチを聴きながら食事を楽しむ人気の観光スポットです。
ここはまた「アステカの生きた遺跡」ともいわれます。
かつて栄えたアステカ文明(14c-16c)の
画期的な農法が今も受け継がれている場所です。
それは「チナンパ農法」と呼ばれるもので、
まず葦を浮かべた浮き島を作り、
そこに水底の土を丹念に何度も何度も積み上げていく
という農地づくりから始まる農法です。
浮き島の大きさは小さなもので10メートル四方、
大きなものでは200メートル四方にもなります。
水底の養分豊かな土は、普通の土の1.5倍から2倍の
収穫をもたらします。
ソチミルコでは、いまもこの農法で主食トウモロコシが
つくられています。
思えば、ペルーとボリビアに広がるチチカカ湖にも
「葦の浮き島」がありました。
文明は人類共有の知恵であることを実感します。
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