
1970年代、地上絵の存在が世界中に知れ渡り、
多くの観光客がナスカを訪れるようになりました。
マリア・ライヘ博士は、
心ない人々から地上絵を守るために奔走しました。

(1970年代の写真 )
ナスカ平原を貫くパンアメリカン ハイウェイ ・・
路面に無数の落書きが見えます。
(1月3日のブログ参照 )

彼女は、自費を投じて監視人を雇い、
地上絵を守るべく活動を開始しました。
また、自らも地上絵の監視に当たりました。

『手 』 と名づけられた地上絵があります。
片方の手には指が4本しかありません。
自らも事故で手の指を失った彼女は、
この絵に運命的な導きを感じたと言います。
(1月4日のブログ参照 )

彼女は、
ナスカに残る手に関する伝承を研究しました。
そして、4本指の人間は神に近い存在だったことを知ります。
古代のナスカでは、神の使者として崇められていたのです。
後年、彼女は、 『手 』 の地上絵に自らの運命を見た ・・
と語っています。

ちなみに、
彼女の重要な研究対象であった 『サル 』 の地上絵も、
片方の手は指が4本で描かれています。

(1970年代の写真 )
1976年、出版本の印税などに支援者からの援助金を加え、
彼女は 『Mirador ミラドール 展望塔 』 を建設しました。
(1月3日のブログ参照 )

奇しくも、展望塔は 『手 』 のすぐ近くに建てられました。

展望塔は観光客に無料で開放されました。
(現在は有料 )
展望塔建設の目的は
地上絵を多くの人に観察してもらうことであり、
(地上絵の中に入っていかなくても観察出来るように )
同時に監視塔でもありました。
完成時、彼女はこんな言葉を残しています。
『これで監視が楽になる 』 ・・ と。
事実、彼女は監視人を一人に減らし、
この展望塔に配置しました。

展望塔からは、 『木 』 と、

『手 』 の地上絵を見ることが出来ます。
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