
長さ約 12メートル、幅約 1.5メートルのゴンドラ ・・

よく見ると、左右対称ではないことがわかります。
ゴンドリエーレが後方左側で操船するため、
バランスを取るために左舷の方が幅広くつくられています。

また、弓なりのかたちにより水との接触面が少なくなり、
より少ない力で進め、小回りがききます。

16世紀頃までは、
ゴンドラは持ち主の好みで様々な色に塗られていたそうです。

しかし、17世紀に入ると、
華美な贅沢は慎むという民衆の総意、方針により、
黒に統一され現在に至っています。
(ベネチアは
古くより物事を独裁ではなく協議によって決定したことで有名 )

水面を行く漆黒のゴンドラは、
美しい建物をいっそう際立たせています。

Thomas Mann
トーマス・マン (1875年ー1955年 )
1929年にノーベル文学賞を受賞したドイツの文筆家。
1911年にベネチアを訪れたトーマス・マンは、
1912年に小説 『ベニスに死す 』 を著しました。
( 『ベニスに死す 』 に関するトピックは追って紹介 )
彼は、ベネチアのゴンドラをこんなふうに語っています。

『もっとも豪奢で、人をだらけさせる座席 』

そして、なんともロマンチックなゴンドラ ・・
注: 両側のコンクリートの色が変わっている部分は
潮位が上がった時に水がここまで上がってくることを
示している。

至福の乗り物であることは確かです。
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