
スカルツィ橋とリアルト橋の間にある代表的なふたつの
「Fontego フォンテゴ 」 と呼ばれる建物 ・・
『商館 』 と訳される 「Fontego フォンテゴ 」 は、
アラビア語に起源がある言葉で、元々の意味は 『倉庫 』 です。
商人国家 ベネチアには欠かせない建物でした。

Fontego dei Turchi トルコ人の商館
13世紀に建てられたベネチアン ゴシック スタイルのこの建物は、
世界中からベネチアを訪れる商人や要人が、
貿易のために利用する施設だったそうです。
保税倉庫のような役割も果たしていました。
(建物は何度も修復され現在に至っている )

17世紀頃からは、オスマントルコの隆盛に伴い、
『トルコ人の商館 』 となりました。
現在は 『ベネチア自然史博物館 』 として開放されています。

Fondaco dei Tedeschi ドイツ人の商館
リアルト橋のすぐそばの建物です。

13世紀の初めに建てられた建物は
16世紀初頭に火災のため焼失 ・・
1508年に現在のイタリア ルネサンス様式の建物に
建て替えられました。
建て替えられた当時、ジョルジオーネやティツィアーノなど
ベネチア派絵画の巨匠の手になるフレスコ画が外観を飾りました。

Giorgione
ジョルジオーネ (1477年頃ー1510年 )
盛期ルネサンス (1490年頃ー1530年頃 ) の
ベネチアで活躍したイタリア人画家 ・・
その生涯は多くの謎に満ち、
伝説のベネチア派画家といわれています。

Tiziano
ティツィアーノ (1480年代ー1576年 )
盛期ルネサンスのイタリア人 ・・
ベネチア派を代表する画家です。

『ドイツ人の商館 』 は、その名の通り、
ドイツ人が長年にわたり商館や倉庫として使ってきました。
20世紀になってからは、郵便局として使われています。
2008年、ベネトン グループが建物を買い取りました。
ベネトンは、古い建物を復元し、そこにショップの建設を計画 ・・
これに関しては様々な反対が持ち上がっています。

(2011年 UNHATE = 反憎悪 キャンペーンの広告 ・・
ローマ法王とイスラム教指導者 )
常にセンセーショナルな話題を投げかける
『BENETTON ベネトン 』 ・・
『ドイツ人の商館 』 の今後の成り行きに注目です。
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