アンジェの丘の上に建つ大聖堂 ・・・
石造りのヴェルダン橋から ・・・
(8月18日のブログ参照 )
メーヌ川の対岸から ・・・
そして、アンジェの街の
いたるところから望むことが出来るランドマークです。
4~5世紀に建てられた
聖母マリアに捧げる礼拝堂が起源といわれる大聖堂 ・・・
11世紀頃からゴシック様式の建築が始まり、
500年近い歳月をかけ現在の壮大な建造物となりました。
地元の人々には親しみを込めて
『アンジェ大聖堂 』 と呼ばれていますが、
正式名は 「Cathedrale Saint-Maurice d'Angers
アンジェのサンモーリス大聖堂 」 です。
Saint Maurice
聖モーリス
注: 他に Saint Moritz (サン モリッツ ) 、
Saint Mauritius (サン マウリティウス ) などとも呼ばれる。
3世紀、エジプト ルクソールの近く
『Thebes テーベ 』 に生まれたモーリスは、
敬虔なキリスト教徒としてローマ帝国の軍人になりました。
やがて、大隊を任される指揮官となったモーリスは、
時のローマ皇帝 マクシミアヌスから
フランスとスイスの国境地帯を拠点とする
キリスト教徒部族の征伐を命じられます。
しかし、モーリスは、
『皇帝の臣下である以前に私は神のしもべである 』
という有名な言葉を残し、
同じキリスト教徒を討つことは出来ない ・・・
と命令に背きました。
(エル・グレゴ作 『聖マウリティウスの殉教 』 )
そのため、
モーリスをはじめ彼の部隊は全員が処刑されました。
処刑された兵士の数は6000人以上 ・・・
これが、
キリスト教徒の間では有名な 『聖モーリスの殉教 』 です。
スペインの画家 El Greco エル・グレゴ (1541年ー1614年 ) は、
モーリスの殉教の様子を描きました。
(向かって右からふたり目がモーリス )
また、ヨーロッパアルプスの
有名なリゾート地 = Saint Moritz (サンモリッツ ) は、
彼の名前に由来しています。
(殉教の地がそのあたり )
(1524年に描かれた聖モーリス )
生まれがエジプトであった聖モーリス (ムーア人 ) ・・・
聖画で黒人として描かれる珍しい聖人です。
また、その高邁な殉教者精神は広く尊崇を集め、
世界中に彼の名前を冠した (守護聖人として祀る )
教会や修道院が存在します。
ファサードのレリーフは8人の武人 ・・・
モーリスに仕え、共に殉教した士官だそうです。
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