Albert Kahn
アルベール・カーン (1860年ー1940年 )
ドイツとの国境に近いフランス アルザス地方に生まれた彼は、
パリに出て、銀行家として大成功を収め巨万の富を築きました。
写真は、1914年にパリで撮られたものです。
写真に撮られることを好まなかった アルベール・カーン自身の
貴重な一枚です。
彼は、1908年から1931年にかけて、
私財を投じて世界50カ国以上にカメラマンを派遣し、
当時誕生したばかりの 『オートクローム 』 という手法で、
世界のありのままの姿をカラー写真に収めました。
(およそ100時間の動画映像も )
1908年のニューヨーク
(プラザホテル )
1909年のブラジル
(リオデジャネイロに近い高原にあるペトロポリスという町 )
異なる文化を理解し合うことによって、
人類は平和な世界を築くことが出来る ・・
『百聞は一見にしかず ・・ 』
アルベール・カーンが、
カラー写真という手段を選んだ理由はそこにあります。
アルベール・カーンが亡くなるまで暮らした
ブローニュの森に近い私邸は、現在博物館となっています。
72,000枚におよぶ膨大なコレクションが、
ここでテーマごとに展示されています。
当時の撮影機材を見ることも出来ます。
『オートクローム 』 という技法は、
じゃがいもから採ったデンプンをガラス板に薄い膜状に貼り、
それをフィルターにして撮影する方法です。
デンプンは粒子レベルで三原色 (赤・緑・青 ) に染められていて、
それぞれが重なり合うことによってカラー写真が生まれます。
これは、色の重なりを見るためのスコープです。
博物館の中でオリジナルの写真は、
常温、一定湿度の部屋で厳重に保管されています。
また、数人のスタッフが、
貴重な写真のデジタル データ化と保全にあたっています。
1912年に撮影されたパリ ・・ ちょうど100年前のパリです。
1878年のパリ万博のために建設された
パビリオン 『シャイヨ宮 』 がエッフェル塔の向こうに見えます。
現在は、同じ場所に、1937年のパリ万博で建て替えられた
新しい 『シャイヨ宮 』 が建っています。
オートクロームという新技術とアルベール・カーンの情熱が
出会い生まれた人類の遺産 ・・
私たちは、いとも簡単に過去にタイム スリップすることが出来ます。
いまは博物館となっているアルベール・カーンの元私邸には、
広大な庭園が広がっています。
(およそ4ヘクタール )
その中に、見事な日本庭園があります。
実は、アルベール・カーンと日本には深いつながりがあります。
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