Maestro マエストロ (英語ではマスター、ドイツ語ではマイスター )
と呼ばれるベネチアン マスクの職人もいます。
その道を究め、師と仰がれるマエストロ ・・
通りすがりの人が、
その仕事ぶりを見るために歩みを止めます。
夫婦 (マエストロとマエストラ )
でつくりあげるベネチアン マスク ・・
たかがマスク ・・ しかし ・・
自らの美意識を表したマスクを付ける・・
その瞬間から覚える自分が自分でなくなったという感覚 ・・
『匿名社会 』 への幕が開く ・・
マスクさえあれば、本来の身分に関係なく、
誰もが自由に振舞えた ・・
誰を意識することもなく、自由奔放に虚構の世界の住人となり、
高揚したエネルギーを発散しながら、
新たな生命力を吸収していく ・・
ベネチアという海に閉ざされた空間の中で、
カーニバルは、
絶好のストレス解消の場となったのではないでしょうか。
18世紀、ベネチアの繁栄に歴然と陰りが見え、
人口密集が生み出す心理的なひずみは頂点に ・・
人々はカーニバルに関係なく
日常的にマスクを付けるようになったそうです。
しかし、法律はこれを禁止しました。
仮面舞踏会の原点ともいわれる 「ベネチアのカーニバル 」 ・・
マエストロの 『マスク ショップ 』 の壁にはマスクと鏡 ・・
それは、まさに現実と虚構を象徴しているかのようです。
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