遺伝。

私は、片方の目しかウィンクができない。

更に顔半分が強張ってしまい、
お世辞にも、魅力的なウィンクを披露することができないのだ。

効果的なウィンクは練習あるのみか・・・。
そんな考えをよぎらせつつ
高校生の頃、姉にウィンクのお手本を見せてもらおうと
どっかのファーストフード店のように、ウィンクをオーダー。

すると、どうだろう。
姉もなんだかぎこちないウィンクなのだ。

・・・ダメだ。
この姉妹、ウィンクが汚すぎるっ！（爆

どうやら、ふたりとも同じ様に顔が強張ってしまうのだ。
・・・なんか理由がある。。

そこで姉妹は、製造元である両親に確認。
母は、背筋が凍りそうなほど寒いウィンクであったが
顔が強張るといったような不具合はなく、すんなりとできていた。
シロ。

父は、得意げに
「よっしゃ！見ておけよ！！」と、悩殺ウィンクをお見舞い。。

まさに悩殺・・。
ウィンクで目を閉じると、口角があがり、口が開き
舌までペコちゃんのようにペロっと出てくるのだ。

ぅぉおおおえぇぇぇ～～～っ・・・

ほんっとに殺されるかと思った。。
いい歳したおっさんのウィンクをオーダーしたこと自体、命知らずの行動だったと改めて思った。

でも、これで解った。
かなり危険な目に遭ったが、私達姉妹のウィンクの謎が解明されたのだ。
なぜ、強張るのか。
なぜ、魅力的でないのか。

私達は、父と同じく
目を閉じると口角があがってしまう。
すると、自然に口が開く。
その口を無理やり閉じようとして、ピキッと顔が強張ってしまうのだ。

・・・よって、父親がクロ。
そして
私達姉妹は、悩殺ウィンクを封印したのであった。