いぬねこのやかた2号館(仮題)

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酒の話

2020-07-31 21:55:07 | 日記
唐突だが私は酒に弱い
弱いといっても「酒に目がない」という意味ではなく、純粋に「アセトアルデヒド分解酵素が極端に少ない」という意味
 
 
 
未成年時代。私は酒に対する憧れがあった。
原因は父親。
父は酒に強かった。毎晩とまでは言わないが、少なくとも週末夜はいつも、母や我々兄弟がご飯を食べているなか1人だけ白飯の代わりにビールを飲んでいた。
それがまた美味しそうに飲むのだ。それはそれは美味しそうに、幸せそうに飲むのである。
未成年の私は「ビール…そんなに美味いのか…早く飲みたいなあ」と純粋のピュアピュアだった。なんならプリティでキュアキュアだったかもしれない。
 
一方、母親は酒に弱かった。家族で食事しているときに酒を口にしたところは見たことがなかった。
飲む資格を持っているのに、父があんなに旨そうに飲む飲み物をなぜ飲まないのか??不思議に思った無邪気な私が尋ねると、ただ「弱いから」と返された。
あとで父から、母が酒に弱いエピソードも聞いた。ワインを一口飲んでぶっ倒れたらしい。それは相当に弱い。
まだ酒に憧れがあった頃の自分は、母のこの体質を受け継いでいないことを祈った。
 
 
 
結果は割とすぐにわかった。
中学に入り、保健の授業でアルコールパッチを受ける。たしかアルコール成分が塗られた透明なシールを肌に貼付し、肌の反応を見るものだったと思う。酒に強い人は無反応、弱い人ほどシールを貼った箇所の肌が赤くなる。
 
 
 
真っっっっっっっっ赤。
そりゃもう真っ赤っか。
 
 
愕然とした。俺は酒に弱いのか。
あんなに美味しい(とその頃は思い込んでいた)ものを俺はあまり飲めない体質なのか。
 
 
とはいえ、酒への憧れなど、思春期の私にとっては日々の関心ごとの5%にも満たず、その頃ハマってた漫画とかゲームとか、あるいは定期テストのこととかに埋もれていった。
ちょっとショックだったけど、まあ別にいっか、と。
 
 
月日は流れ、大学生になった。
所属したサークルではじめて飲酒する機会に出くわす。
憧れの、20年間憧れのビールを手に取った。キリン一番搾り。父が好きな銘柄だった。
もちろん酒に弱いことは自覚しているので、浮かれ気分ではあったが飲み過ぎないように注意しないと、と思った。
 
 
缶を開け、飲み口を口に運ぶ。
一口、含む。
 
 
 
 
 
えっ!??
 
 
 
 
 
美味しくない!!!!!!!!
 
 
 
 
 
 
 
美味しくないよ!!!!!??????
 
 
 
 
 
そう、私にはビールは美味しく感じなかったのだ。
はじめて飲むまで想像していたビールの味は、
○やさしい甘さ
○深いコク
○それでいて弾ける爽やかさ
 
そんなことはなかった。
私は、長年憧れていた味を確かめるように3口ほど飲み、「あげる…」と言って缶をそっと友人に渡した。友人が美味しいと感じていたか定かではないが、少なくとも私が飲みかけを渡すまでに二本は飲み切っていた。
 
こうして、20年間の憧れは、たったの3口で瓦解した。
 
そして問題はそのあとである。
3口しか飲んでいない。量としては100mlにも満たなかったと思う。
にもかかわらず、みるみるうちに心拍が上がり、首から上が猛烈な熱を帯びていくのを感じた。脳内で心音がけたたましく鳴り響く。こ、これは、ヤバイ。ワインを一口飲んでぶっ倒れた母の話を思い出した。俺は酒を飲んではいけないタイプだったんだ。
周囲に心配された。首から上がまるで鬱血しているかのごとく赤いと言う。でも、意識はあるから大丈夫。頭が熱くてボーッとするだけ。あと心音がうるさいだけ。
ふと袖をまくった腕を見ると、肘の内側も赤くなりはじめていた。ああ、これはヤバイ。
そのままサークルの部屋で眠ってしまった。
 
目を覚まして次の問題に気付く。
なぜ目を覚ましたのか?まだみんな飲んでいるようだったのでそれほど時間は経っていないはず。
猛烈に頭が痛く、そして気持ちが悪いのだ。
トイレに駆け込み、アレをアレした。2014年ハリウッド版ゴジラをご覧の方だったら、ムートーにゴジラがとどめをさすシーンを想像してもらえると分かりやすいと思う。ここ詳しい説明いらないな。
 
食道をものが逆流する感触は、誰しもが経験があると思うがやはりたまらなく苦しく、それが何度も何度も続く。もう出すもの無いのに。しかも激しい頭痛のオマケ付き。オマケがでかい。食玩じゃあるまいし。
 
 
体感1時間、実際の時間はもっと短かったであろうが、出すもの出した私は少し落ち着き、サークル室に戻り、先輩方に心配されながら眠りについた。
 
 
これが私の初体験。
 
 
冒頭の内容に戻るが、私は酒に弱かった。
というか多分、体質的に毒に相当するんじゃないかと思っている。
ここで、まだ酒が美味しいのであれば、それでも飲もうと思える。だがビールは私には合わなかった。
他の酒も試した。ワイン、焼酎、ウイスキーは当然ダメ。甘い缶チューハイはまだマシな方だが、アルコールの存在を口に入れた瞬間に分かってしまうので「うへっ…」ってなる。
唯一、甘口の日本酒だけは、味が好きだった。
 
 
なんでこんなに酒の話を書いているかというと、今日もともと書こうと思っていたオリジナル仮面ライダーの妄想の話があったのだが、職場で上司に誘われてしまってビールを飲んでしまったからだ。
こんな時期だと言うのに。断らんか。
 
…断れなかった。なぜなら今日一日書類の添削をやってもらっていたから。頭が上がらない。感謝しているし、なにより尊敬している。パンイチでソーラン節を踊れと言われたら実行してしまっていたと思う。なのでビール飲もうと言われたら、そりゃあ飲む。
 
でも内心は飲みたくないのだ。そりゃあ初めて飲んだ時と比べたらいくらか飲めるようになった。ペースさえ間違えなければ缶ビール一杯くらいならなんとか飲める。でも飲みたくないのだ。俺には毒なんだもの。今も頭痛いもの。肌真っ赤っかだもの。肌真っ赤っかなやつがこんな状況下で同じ電車内にいたら俺は別の車両に移動するぞ。
 
 
でも一言断っておくと、お酒の付き合い自体はとても大事だと思っている。
世の社会人の大多数は日々の疲れを酒で癒している。そしてその力を借りてコミュニケーションを円滑にしている。現在の日本の仕事の稼働率は、仮に禁酒法でも制定されたら劇的に落ちるんじゃないかと思う。大事。
だから付き合いとしてお酒を飲むことはとても重要。
私はマイノリティなのだから、いくらか我慢してマジョリティに合わせなければいけないのだ。
 
や、ダメだ酒入ってるから考えがまとまらん。
全部ダメとは思ってないんだけど俺は嫌いだぞって話。
 
もうだめ、これで締めさせて
頭回らない
 
んひー!!!!!
 
 
 
 
でも友達と一緒に飲むのは好き
なんだろうね
上司が嫌いなだけなのかもね
や、尊敬してるんですよ。これは本当
 
もうよくわかんなくなっちゃったので終わり。
よくわかんなくなっちゃったのも酒のせいだし、この記事書いてるのも酒のせい。
酒、許すまじ。

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