朝方、餌箱が空っぽですよと、シロクロが騒いでいる。
はいはい、今入れますよ。
あわててカリカリと牛乳を入れる。
この子は牛乳大好きなんだよな。
大きくなったね。
ちょっとお腹がふくらんできたかな?
切断した四肢がまだあるような感覚、何といったかな。
幻肢か。
何か違う気もするが。
抜け落ちてしまった奥歯が、まだあるような感覚だ。
ないということに、まだなれていない。
買いそびれてそのままになっていた石牟礼道子さんの『魂の秘境から』、気がつくと文庫に入っていた。
あちゃあ。
ちとうれしい。
文庫に入ると解説が付くんだよね。
ずっとブックマークに入っていた。
やっと削除できる。
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魂の秘境から (朝日文庫) [ 石牟礼道子 ]
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内容紹介(「BOOK」データベースより)
「むかしの田園では、大地と空はひとつの息でつながっていた」。現世での生きづらさ、生命の根源的な孤独。世界的文学『苦海浄土』の著者による、水俣・不知火海の風景の記憶と幻視の光景。朝日新聞に3年にわたり連載された著者最晩年の肉声。
目次(「BOOK」データベースより)
少年/会社運動会/湯船温泉/避病院/石の物語/アコウの蟹の子/水におぼれた記憶/紅太郎人形/雲の上の蛙/海底の道/お手玉唄/大雨乞と沖の宮/魂の遠ざれき/何かいる 上/何かいる 下/熊本地震/ぽんぽんしゃらどの/花結び/原初の歌/あの世からのまなざし/女の手仕事/わが家にビートルズ/天の田植え/椿の蜜/石の神様/流浪の唄声/黒糖への信仰/原初の渚/なごりが原/食べごしらえ/明け方の夢
著者情報(「BOOK」データベースより)
石牟礼道子(イシムレミチコ)
1927年熊本県生まれ。まもなく水俣町へ移る。水俣実務学校卒業後、小学校代用教員を経て結婚。家事の傍ら詩歌を作りはじめ、57年、谷川雁らが結成した「サークル村」に参加、本格的に文学活動を開始。69年に『苦海浄土 わが水俣病』を刊行、70年に同作が第一回大宅壮一賞に選ばれるものの、受賞辞退。73年、マグサイサイ賞受賞。93年、『十六夜橋』で紫式部文学賞受賞。2002年、朝日賞受賞、また新作能「不知火」上演。03年『はにかみの国ー石牟礼道子全詩集』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2018年逝去。享年90(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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