頼政が水茎の岡の工房で詠んだ詩がある。 「水茎はこれをかぎりと、かきつめて堰あへぬものは、涙なりけり」・・・水茎とは筆の跡の意でここでは手紙と訳す・・・・都に残してきた愛しい人を思い詠った和歌で訳は:あの人に手紙を贈るのも、これが最後と思い書きあつめた、まるで河に設けた堰が水草のたぐいを寄せ集めるに、しかし堰止めることは出来なかったのは溢れ出る涙だったよ・・・。この和歌は頼政集の題知らずの項にありますが恐らく選者は頼政が讃岐の国で居たことを知らなんだのである。 酢橘が一杯