*

仰げば 空は 風雲の帯
慌ただしく流れていく

仰げば 空は 遥か星が
眠る果てまで 鈍色

溢れ出す雲を追えば 途切れなく近づく雨音

手に提げた傘を 開かずに
聴こう いつまでも

*

朝の道 俯いて歩けば
露草の青 瞬いて

虫の音と 昇り始めた太陽
斑に浮かぶ 淡い影たち

一瞬も ひと時も 永遠も
深閑としたこの朝の 折り目正しさの内にある

問い掛けず
ただ此処に佇め

生きて いく 私

*

髪を切った朝
吹く風は柔らかなリボン
川面に浮かぶ鴨達が 微かに喉を鳴らしてる

一人で歩いていると 顔を上げても下げても
自由・・どちらでも

高く空を仰いで 深く土を見つめて
そうしながら 誰も居ない朝

いつかどこかで

すれ違ったり
笑いあったり

この白く香る小さな花達の下で

思い出を語る場所に
あなたが集えば嬉しい

*

私には何か 価値があるのでしょうか
満たされない心が 小さな水溜まりになって

私にも たくさんの幸せと 哀しみがあることを
・・あなたの 中に あるものが
同じように

振り返ってください、

知って ください

ぼんやりと佇んだまま
霧の中
行く宛ての ない

行き先の無い もうひとりの私を