春よ

私達は一枚一枚の 小さく淡い花びら
大地はたくさんの生命を生み
慈しみをかけて

育まれ守られて
生きて来たと 思っていたのに

一枚一枚重なり合い
ひとつの花を咲かせてる

私達は約束します
精一杯 これからも
一生懸命 咲き続ける事を

・・たくさんの花です
どうぞもう一度
あなたの大きな掌で 私達を掬い取ってください

前を向いて

そんな風に 簡単に言えないから

被った人と 被らなかった人
大きすぎて渡れない淵

人類史上初 その言葉の重さ

数万人 その言葉の哀しみ

本に浸って

新しく図書館が
私の街にやって来ました。

こじんまりとした面影は
無くなってしまったけれど
変わらない本の顔
懐かしい本の匂い

心ごと埋もれていた子供の頃のように
黙ったまま受け止めてくれる
私の好きな場所

被災地

画面を見つめながら ただ祈っているのは
私だけではないでしょう

助けてください

この言葉を日常で使う大人はどれほどいるのでしょう

画面の向こうの 涙に
ただただ涙

こんな独り言

しーんとして 音の無い部屋
誰かのくしゃみ 窓の外

振り向くのが 遅すぎたから
私は立ち止まったまま

此処でこうして樹になった
囀りを待ちわびて