チャイムが鳴った
『はぁーーい』
『おはようございます』
兼務寺の8月末に開催される施餓鬼に
来れない親子さんが(施餓鬼の)塔婆を取りに来た
短い塔婆なので一本2000円である
『ちょっとお尋ねしたいのですが』
『はい?』
『今から墓地掃除をしようと思って
鎌を持って来ました
どうすればいいんですか??』
『申し訳ありません…
私が分かるのは
境内墓地だけなんです
それぞれ《一家墓》《共同墓地》には決まりがあります
代表の方に相談するのが
一番なんですが、分からない時は
総代に調べてもらってください』
お寺は墓地の場所はわかっても
管理代表者やその墓地の決まりまでは分からない
しかし
この時期
皆さんお墓掃除をする
今日は暑くないので
墓地を掃除していれば誰かに会えるかもしれない
良い機会である
色々世間話をしながら情報交換し
これから墓地をどう維持していくか
考えると良いかもしれない
このお墓は
親子さんのお母さんの【姉の嫁ぎ先のお墓】で
跡継ぎが無いお墓である
若くして亡くなった1人息子さんが
ギャンブル、借金で全てを無くした
(お母さんは施設に入ってる)
とても古く何人も入ってる
墓地自体にとても価値がある
不確かな話だが
親子さんのお母さんの【姉】も派手だったらしい
家が無くなり周囲の家々は残念がった…………
お墓に関係のない親子さんも
いつまで管理できなだろう
家と土地を守り
ちゃんとした跡継ぎを育てるのは
本当に難しい
お寺を守る身として他人事ではない
大黒さん
ちゃんとチビを育て上げ
上手くやっていけるかな??
考えるとちょっと不安になる