うちの寺の本堂の御本尊様は
不動明王だが
本当は薬師堂の薬師如来
を主とする
この辺の寺は、ほとんど真言宗で不動明王
(もしくは観音様)
平安時代に起こった乱が理由で
乱の首謀者がこの辺の寺に隠れており
(近くの寺で捕まった)
『私達は謀反にかかわってません』と討伐の中心となった寺にならって
御本尊様を不動明王にしたといわれている
大黒さんがいつも手を合わせるのは
本堂にある不動明王
左手に持っている紐で救いあげ
右手に持つ剣で悪い心を叩き切る
背中には迦楼羅焔をまとう
仏様の熱血指導者と言われてる
うちの不動明王…推定江戸時代作は立っている
先代が寺をやってる時は合掌なんてしなかった
心では多少、…嫌
お寺に仕える気持ちはちゃんとあったが
人前で合掌するほどの信仰心はなかった
本堂を改装し約400年前の観音様を修復し
他の同じく数百年前のボロボロの仏様を手に取った時
新しかった時、皆んなどんな気持ちであったのか
暗い世の中の救いを求め、亡くなった方の
あの世での極楽浄土を願い静かに…
ひたすら合掌した
………その姿を思い浮かべたら
肩、頭上にたくさんの願い、想いを感じ
頭を垂れて合掌せずには居られない…………
信仰心…
亡くなった方の御遺体をみて
たくさんのお墓をみて
【手を添えよう】
住職とともに安らかな死、あの世への旅立ちを
お手伝いしよう’…思えるようになった
子供のころ覚えた《不動明王の真言》
大黒さんはようやく来るべき場所に
辿り着けた
これを幸せと言わず
何と言おう…
導いていただきありがとうございます
合掌