大黒さんは
時に《お母さん》のように
お檀家さんを助ける
大きな事は無理だが
小さい事なら出来る
迎え盆の時
おじちゃんが寺に駆け込んできた
『奥さん!
提灯の蝋燭🕯折れちった!
蝋燭🕯あったらもらえるかな?』
見ると
挿し込む所…
蝋燭🕯の足元が斜めに割れていた
蝋燭🕯のサイズが合わなかった??
『ごめんなさいね
うちの蝋燭🕯は
仏事用でみんな大きいの
このサイズでは無いんですよ』
『そっか…………』
『でも大丈夫
貸してみて』
奥からハサミ✂️を持って来て
細い蝋燭🕯の足元をパチンと切って
平に戻した
火🔥をつけて
蝋を挿し込む金具にたらし
固定した
(サイズが合ってない
このままだと倒れるな…)
『とりあえず固定できたけど
お墓参りしたら
すぐに火🔥は消してください
家に帰って仏壇に合掌するだけで
大丈夫だから
蝋燭が倒れて提灯が燃えたら大変でしょ?』
『うん。わかった
ありがとう!』
大黒さんより
10歳は年上のおじいちゃんである
まるで
子供の様な顔で
御礼を言ってくれた
おじいちゃんの後ろ姿を見送りながら
子供の様に感じた
大黒さんの独り言