17日午前9時40分頃、名古屋市中川区の路上で、近くに住む男性(90)が小型犬(トイプードル)を連れて散歩中、突然、大型犬が現れ、トイプードルに襲いかかった。
男性はトイプードルを守ろうと、大型犬との間に割って入ろうとして転倒し、頭蓋(ずがい)骨骨折の疑いで入院。トイプードルはかみ殺された。大型犬は間もなく飼い主側に取り押さえられた。
中川署の発表によると、大型犬は近くに住むリフォーム会社の役員男性(64)が飼う雄のドーベルマン(1歳)で、体高約80~90センチ。現場から約50メートル離れた自宅兼会社で、従業員が掃除をしようとオリを開けたところ、逃げ出したという。同署は動物愛護条例違反容疑(係留義務)と過失傷害の疑いで役員男性から事情を聞いている。
中川保健所によると、役員男性はドーベルマン6頭を飼育。昨年以降、少なくとも数回、逃げ出したことがあるといい、同保健所はこの日、役員男性宅を訪問し、再発防止の文書を渡した。
近くに住む女性(34)は「近くには中学校や公園もあり、子どもがかまれていたらと思うと怖い」とおびえた様子で話した。
かみ殺されたトイプードルは2歳の雄で、2人暮らしの男性の夫婦が子供のようにかわいがっており、この日は近くの動物美容院にシャンプーをしに行く途中だったという。
(2010年5月17日21時00分 読売新聞)