日々の寝言~Daily Nonsense~

女流棋士独立問題の展開と将棋界の新しい姿

日本将棋連盟が「女流棋士独立問題」
について記者会見したらしい。

しかし、例によって、よくわからない内容だ。

結局、残留希望を出したのが39名、
出さなかったのが17名、になったという。
ここまでは(誰が最後に翻意したのか、とかは別として)明快だ。

で、残留希望を出さなかった女流棋士は除名なのか?
というと、そう明言はしていない。

毎日新聞HPの記事によれば、
「独立を目指す女流棋士には円満に独立してもらうために
処分などは考えていない」とある
(この記事は、独立派寄りのスタンスに見える)。

しかし、連盟HPの文書には、
「4月24日現在の連盟所属女流棋士名簿」が掲載されていて、
そこには、残留希望しなかった人の名前は載っていない。

ということは、除名されたということではないの?
任意退会?

どっちなんでしょうか?

まあ、どうせいずれは独立するので、
実質は変わらないのだが、
正面切って除名と言うと波風が立つので、
曖昧な形にした、ということなのだろうか?

本来、もっと過激な内容を考えていたのだが、
無理だとわかって修正した、という雰囲気も感じられる。

それはともかく、
残留希望を出さなかった人がすべて新法人に移るのか
どうかはよくわからないが、とりあえずこれで、
出発時のメンバーは確定したようなので、
あとは、なんとか形になるようがんばってほしい。

将棋連盟と較べて、たった17名では
あまりにも非力なように見えるかもしれないが、
較べるからいけないので、既成概念を取り払えば、
そう悲観したものでもないと思う。

もともと、華道や舞踊、邦楽、書道など、他の伝統芸能では、
免状を発行する組織はあっても、免状を持っている会員は
基本的には自営業者で、作品を売ったり、
自分の教室を持ったりして生計を立てている。

作品の売り上げだけで生活できるのはごく一部で、
ほとんどの人たちは、教室を開き、ときどき発表会に出る、
という形で活動している。

そういうのに較べると、全プロ棋士の育成と雇用を独占している
(契約上は会員で、雇用契約は結んでいないはずだが、
実質的には固定給があるような感じになっているし、
引退棋士の面倒まで見ているらしい)
今の将棋連盟はかなり特異な組織だと思う。

通常の社団というよりは、渡辺プロダクションや
ジャニーズ事務所、吉本興業のような組織に近いように見える。

いずれにせよ、女流棋士なら、
教室などでやってゆける可能性は高いと思うので、
新法人は、連盟のような「プロ棋士のための組織」を目指すのではなく、
将棋にかかわる個人事業主の交流の場として、
広く「将棋愛好者のための組織」を目指せばいいのではないか?

さらに言えば、将棋界全体が、
そういう方向を目指したほうがよいと思う。

なんだか、書いているうちに、
将棋連盟の役割は終わっているのかもしれない、
と思えてきた。

会員を食わせないといけないから、
年に4名しか会員を増やせないのだが、
通常の社団のように、会員からは会費を取れば、
そういう問題は無い。

いっそのこと、新法人名は「日本将棋愛好者協会」とかにして、
女性に限らず、各地で教室や道場をやっている人や
アマチュアも会員として迎えて、
将棋ポータルを運営したり、メルマガを発行したり、
各種のオープン将棋大会、会員交流会を運営したりする。
FIDE のようにランキングも管理すればよい。

いまどき、免状にこだわる人はそんなに多くはなさそうだし、
上納金を将棋連盟よりもずっとお安くすれば、
参加する道場、教室はけっこうあるのではないか?

せっかく、将棋という良い素材があるんだから、
「ファンクラブ」っていう変なものではなく、
普通の「教室」のほうがずっといいと思う。

連盟から降ってくる安い定型仕事にかかわることなく、
もっと将棋のためになることを自由にやれるようになる。

将棋の技術の進歩は遅くなるかもしれないが、
いずれはコンピュータに負けるかもしれないんだし、
みんな、今よりは弟子、というか、生徒さんを
たくさん取るようになるだろうから、
むしろ普及の範囲は広がるのではないか?

そうすれば、結果的にはプロ棋士を目指す人も増えるだろうし、
それ以上に、頭の体操になり、老化を防ぐ伝統芸能として、
将棋を趣味にする老若男女が増えれば、
日本にとっても幸せなのでは?

棋戦もオープン化してゆけば、
新聞社も賞金と開催経費だけ持てばよくなるから、
異様に高い契約金を払う必要はなくなるし、
もっといろいろなスポンサーが気軽に
参入できるようになるだろう。

将棋連盟という事実上の独占組織が無くなれば、
今とは全然違う姿の将棋界がありそうだ。

どっか間違っているのかなぁ・・・
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