船江五段対ツツカナ。
184手の大熱戦を制したのは、
ツツカナだった。
コンピュータが研究はずしの
△7四歩という変則手を出したが、
序盤は船江さんが制したかに見えた。
しかし、△2二金から△5五香という
人間の意表を突くカウンターがあり、
船江さんが少し苦しい局面へ。
しかし、30分を超える長考で
なんとか▲8八銀という手をひねり出して、
自陣を整形して耐える。
途中、コンピュータ側に
△6六銀という不思議な手もあり、
船江さんがかなり優勢になったかと思ったのだが、
心が折れない相手にそこから攻めあぐねて、
もつれてしまい、人間側の時間が無くなったところを、
じわじわと押されて、最後は
攻めをぎりぎりで余されて負けとなった。
(コンピュータ側も、消費時間の計算法の違いで、
じつは一分将棋モードになっていたらしい)
途中、船江さんの頑張りも凄かったが、
疲れを知らないツツカナが
最終的には上回ったという感じ。
ツツカナの意表を突く指し回しや、
不利になったときの粘り、
最後の追い込み、そして、
最終盤の見切りなどは、
ちょっと羽生さんを思わせる凄さがあった。
うーん・・・
船江さんが負けるとは、
プロ棋士側もちょっと
予想外だったのではないか?
コンピュータは予想以上に強い。
疲れないし、震えない、
というのがなんとも、
ターミネーター的。
Corei7+32GB のマシン1台でこれだから、
640台って・・・
どうやら、人間の1勝4敗が
見えてきた感じがする・・・
しかし、人間がコンピュータに負けても、
将棋の魅力も、人間同士の勝負の魅力も、
変わることはない。
長い準備を経て、
ぎりぎりまで力を尽くした船江さんは、
本当にお疲れ様でした。
ゆっくりと休んでください。
追記:
△6六銀は、▲2五龍からの後手玉の頓死を防ぐために
必要だったということらしい。すごいなぁ・・・
さらに追記:
YSSの開発者山下さんによると、
△6六銀は、頓死筋を消して勝ちに入るはずだったのだが、
もう少し読んでみたら、別の詰み筋(21手詰み!)があり、
うまくゆかないことがわかったので、
△4二歩と受けに回ったということらしい。
どんだけ読んでいるんだ・・・
こういう地雷のような筋がたくさんある将棋の終盤は、
逆転のゲームだ、ということがよくわかる。
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