クリスマスソングと言えば、私のとっておきのレコードをご紹介します。ジャズギタリストのケニーバレルの「Have yourself a soulful Christmas」です。師走で忙しくて目が回りそうだという人にこそ、ぜひ聞いていただきたい。
White Christmasなど有名曲が収録されていますが、発売元は「CADET」というシカゴブルースのレーベル。そして、ブルース、ソウルフィーリングあふれる、モダンジャズギターの第一人者、ケニーバレルです。ただの、クリスマス・アルバムで終わっていません。黒人音楽の深いスピリチュアルに根差しつつ、モダンでクールな雰囲気があります。その雰囲気でMy favorite thingsも演奏しています。隠れた傑作アルバム、ケニーの中でも知られざる名盤だと思います。
東京・武蔵小山に「FAT MAMA」というジャズ喫茶がありました。私は近くに住んでいたので、ほぼ毎日行きました。コーヒーもおいしかった。それまで、古いジャズばかり聞いていた私は、その店で、モダンジャズを一から教えていただきました。そこのマスターが、私と同じくケニー・バレルの大ファンで、ある年末、私が「こんなの知ってますか?」と、このアルバムを持っていったら、マスターはそれを録音して、ほぼ毎日、かけていました。数年前のクリスマスのことです。
このアルバムの中でも、「Away in a manger」(御子は飼い葉おけの中で)という、アコギで弾いている曲が、とても良いです。ソウルフルに語りかけてくるケニーのギター。心に伝わります。安らぎます。
年とったチャールス・ロイドみたいな、穏やかなFAT MAMAのマスター、元気にしているかなあ?
Merry Christmas.
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